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致死率70%。未知の“サル出血死ウイルス”が拡大中

[2010年09月08日]

8月上旬から9日間、東京都心でサルが逃げ回り騒動になったが、野生のサルに噛まれた場合、ケガ以外の危険もあるということをご存知だろうか?

東北地方で有害獣駆除活動を行なっている白神獣害対策調査研究所代表の獣医師・今井康仁氏が警告する。

「まず、人獣共通感染症である『Bウイルス』を心配しなくてはなりません。野生のサルがいないアメリカですら非常に警戒されており、実験用のサルはすべて厳重な検査を行なっていますが、日本では野生のサルがいるにもかかわらず、ウイルスについてはほとんど知られていないのが現状。人間に感染した場合、致死率は70%との報告もあります」

ところが、もっと恐ろしい「ナゾの感染症」がすでに全国に散らばっているかもしれないという。

14種類、約1200頭のサルを飼育する愛知県犬山市の京都大学霊長類研究所(以下、霊長研)で2001年以降、合計40頭以上ものニホンザルが正体不明の“出血死”を遂げていたことが明らかになったのだ。

発症したサルは食欲が低下して顔面蒼白になり、鼻などの粘膜から出血。血液中の血小板、赤血球、白血球が激減し、発症後1、2週間でほとんどが死ぬ。最後は血小板がゼロになっているケースがほとんどだという。

東京医科歯科大学名誉教授(感染症学)の藤田紘一郎氏はこう語る。

「外国の学者のなかには、施設内で各種のサルを飼っている環境を踏まえて『アリテリアウイルス』ではないかと指摘する声もあります。このウイルスはサルの種によって抗体のあり・なしがわかれ、ニホンザルでは高い致死率を示しますが、人間には感染しないとされている。
ただし、もしアリテリアウイルスでないとすれば、これは“未知のウイルス”。大変な脅威です」

霊長研の発表によれば、出血死はまず2001年7月から02年7月に6頭。08年3月に再発すると、今年4月までに38頭が死に、現在も月1頭程度のペースで発症しているという。しかも、発症から9年たった今も病原体が特定されていないのだ(少なくとも公表されていない)。

驚くべき事実はまだある。08年の出血死再発以降も、霊長研から各地の研究機関に少なくとも39匹の研究用ニホンザルが送られていたというのだ。つまり、未知の出血症の正体がわからぬまま、病原体を持っている可能性のあるサルをわざわざ全国にバラまいていたことになる。

もはや、サルの出没をのんきに楽しんでいる場合ではないようなのだが……。


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