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【MLB】ショート・西岡剛に立ちはだかる3つのカベ

[2010年12月14日]

ミネソタ・ツインズと3年1000~1100万ドル契約で合意した西岡剛

西岡剛はツインズでショートを守るのか、それともセカンドを守るのか。ガーデンハイヤー監督は「キャンプを見てから」と慎重な姿勢を崩さないが、米国での評価、報道のほとんどが“セカンド”となっている。西岡はショートでゴールデングラブ賞を2度獲得した選手なのに、なぜ……。メジャーリーグには、ある定説が存在するからである。

“日本人選手がショートを守るのは難しい”。これがその説だ。

基本動作。日米において内野手の基本が、同じ野球でありながら随分と違うことをご存知であろうか。特にショートの守りについては、それが顕著に現れる。おそらく西岡もメジャーでショートとしてプレイするなら、3つのカベに直面するだろう。
まずひとつ目は“正面か、逆シングルか”。

特に違うのが、三遊間の打球に対する処理だ。日本では、少年野球の頃から「ゴロは正面に入って捕れ」と教え込まれる。三遊間の打球に対して半時計回りに回り込みながら、打球の正面に入ることを基本とする。しかし、米国では、直線的に入り逆シングルで捕る。日本育ちの身からすれば、当初は「随分と雑な処理」と思ったものだが、今では米国流を否定することが出来ない。

以前、松井稼頭央がメッツ時代にショートを守っていた際、全国ネットでFOXテレビが検証していたものは、捕球からスローイングまでの間で1秒は短縮できるという解説をスローリプレイにグラフィックをつけながら行なっていた。

一塁到達まで、速い選手だと3秒台後半~4秒台前半。その中で、1秒近くも時間を費やしてしまうことは、まさに致命傷となる。捕球に、速さと正確さが求められるのだ。

そして、ふたつ目は“フットワーク”。

前出の打球処理に対し、ステップを踏んで正確に投げるのが日本流だが、米国ではノーステップで一塁へ投げる。ステップを踏めば、それだけ時間はかかる、打者走者はより一塁へと近づく。簡単な論理だ。

そして、最後に“地肩と体の強さ、身体能力の違い”。

日本のトッププロであれば、米国流の処理も練習で克服できることは間違いない。しかし、三遊間の奥深い打球を逆シングルで捕球し、一塁へノーステップスローができても、その送球は矢のようなものとはならない。地肩、体の強さが、欧米や中南米の選手と違うから、その送球に走者を刺す勢いが生まれない。これらが“悲しい定説”の根拠となっている。

このことは、メジャーのスカウトやコラムニスト、コメンテーターならば、大半が口にする。しかし「日本人選手のショートはノーチャンス」の時代が、いつまでも続くとは思いたくもない。

「後に続く日本の選手のためにも自分の失敗は許されない」と挑んだのが、野茂英雄でありイチローだった。志とは崇高な精神の上に成り立つ。そして、課題は克服するためにある。西岡剛には、新しい道を切り開いてくれることを期待したい。

(文/笹田幸嗣 写真/益田佑一)

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