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【不定期連載】鈴木宗男×佐藤優 獄中往復書簡「ムネオ・チャンネル」第2回

[2011年03月01日]

鈴木宗男・佐藤優両氏による獄中往復書簡。第2回のテーマはふたりが取り組んできたロシア外交・北方領土問題だ。
ロシア大統領の国後島訪問の件で、今の駐ロ大使が更迭されたが、後任には「ロシア外交を後退させた3悪人」のひとりが就任。
ということで、鈴木先生、獄中から怒りの緊急お手紙です。


ロシア大統領の国後島訪問については、大使も本省も同罪

現在、栃木県の喜連川社会復帰促進センター(刑務所)に収容されている鈴木宗男・新党大地代表(前衆議院議員)が塀の中でいつも考えているのが北方領土返還についてである。

領土問題はナショナリズムと表裏一体の関係にある。ポピュリズムを煽れば「より過激な主張がより正しい」ということになってしまう。しかし政治家や外交官は運動家ではない。現実に歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島の4島からなる北方領土の日本への返還を実現しなくてはならない。勇ましいことを言っていても、ロシアは「ああそうですか。勝手にわめいていればいいですよ」という態度で交渉に乗ってこない。

これまで日本とロシア(旧ソ連)が行なってきた経緯をふまえたうえで、したたかな現実的北方四島返還戦略を構築することが必要と鈴木氏は考えている。

1月3日付の手紙で鈴木氏は北方領土問題をめぐる外務省の対応を手厳しく批判し、こう記す。

〈メドベージェフ大統領の国後島訪問(2010年11月1日)の情報収集が十分でなかったとして、河野雅治駐露大使が更迭されると報道されている。菅政権は河野大使にだけ責任を取らせるのだろうか。昨年10月28日、河野大使はメドベージェフ大統領の北方領土訪問について「噂としては聞いているが具体的なことは聞いていない」という発言であった。

9月29日、サハリンで大統領が「私は行く」という発言をした後、大使館はじめ経由地となるユジノサハリンスク総領事館は、館員を空港に張り付けてでも情報収集にあたるべきだった。それが「行かないだろう」という頭づくりでインテリジェンス能力に欠けていた。現地も現地だが、然らば本省はどんな指示を出していたのか。小寺欧州局長も岡野ロシア課長も「行くとは思っていなかった」とマスコミ関係者に話していたと複数の関係者から私は耳にした。河野大使のみならず、本省の担当責任者も同罪ではないか〉

鈴木氏の指摘のとおりだ。河野雅治大使だけをトカゲの尻尾切りにして、自己保身を図る外務省は醜悪極まりない。さらに鈴木氏は前原誠司外相を厳しく批判し、こう述べる。

〈噂の段階で前原外相がベールイ駐日ロシア大使に「行けば日露関係を損なう」と呼びつけ、強圧的話をしたことが大統領の国後訪問の引き金になったとも言われている。前原外相は北方担当相当時の2009年10月、根室市でいわずもがなの「不法占拠」発言をした。そのために、ロシアが非常に厳しい反応を示し、シンガポールAPECでメドベージェフ大統領は鳩山首相に強く指摘された。

前原外相の行動、発言もメドベージェフ大統領の国後島訪問に至る原因の一つであると言われる。緊張感を持って外交を展開する上で信賞必罰は必要である。河野大使を更迭するならば本省の局長、担当課長、その責任者である前原外相も何かしらかの責任を負わせるのが行政のトップである菅政権の姿勢でなくてはならない〉

ここで重要なのは、鈴木氏が北方領土問題に関する前原外相の発言を、〈いわずもがなの「不法占拠」発言〉と批判していることだ。鈴木氏も北方四島はロシアによって不法占拠されているという日本政府の法的立場を熟知している。

「当たり前のことを、根室のような北方領土を管轄する象徴的意味を持つ場所で述べて、今後の対ロ領土交渉に対してどういう影響を与えるかきちんと計算できているのか」

と、前原外相を批判しているのである。果たして、ロシアを担当する外務官僚は前原外相を支えているのだろうか。外交は言葉の芸術でもある。「おまえ、嘘をつくな」と言うと相手も「なに!」と応え、ケンカになる。「お互いに正直にやろう」と言えば、相手は感情的にならない。

根室で前原氏が「領土問題を解決し、日ロ間に合法的な国境を画定したい」と言えば、ロシアは反発しなかった。「合法的な国境を画定したい」ということは、裏返して言えば、ロシアが一方的に決めた現在の国境は不法だということになる。このような外交交渉で用いるべき言葉の知恵を外務官僚は前原外相につけていない。

ロシアで裏金作りをしていた本人が大使就任という悪夢

さらに、駐ロ大使人事について鈴木氏はこう述べる。

〈何よりも公平・公正に人事は行うべきだ。河野大使はロシアンスクールではない。前任の斎藤大使もロシアの専門家でなかった。そういう経歴の大使であるならば、より本省の欧州局長、ロシア課長との連携、協力は不可欠ではないのか。人の好い河野大使だけが責任を取らされることに同情するものである。

さて後任の大使には原田親仁チェコ大使を任命するそうだが、ハイレベルの人事である以上、佐々江賢一郎外務次官が判断したと思うが、佐々江次官と原田氏は確か同期である。国益の為より、次官の外務省における権力基盤、体制堅持だと懸念する声も出ている。原田氏はロシア側からどう見られているのか。前原外相はよく調べ、認識した上でのこの人事なのだろうか。

私は国会でも質問したが、原田氏は駐モスクワ大使館勤務時代、大使館の公用便箋に公印を押した偽造領収書を部下に作成させ、外相同行の記者団に配布している。更にソ連時代、駐モスクワ大使館にあった闇ルーブルを扱う「ルーブル委員会」の責任者でもあった。私が国会で質問した際、又質問主意書を出した時でも「ルーブル委員会は確認されていない」と当時欧州局長として答弁している。

自民党政権時で外務大臣も外務官僚の手の平に乗っていたのだろう。ところが、政権交代し、岡田外相は閣議決定の答弁書で「当時あった」と認めたのである。私は外務省ロシアンスクール関係者はじめ、多くの人から以上のことを事実として聞いていた。原田氏は国会でも閣議決定の答弁書でも閣僚に虚偽したことになる〉

鈴木氏の指摘はそのとおりだ。おそらく前原外相は、メドベージェフ大統領の国後島訪問をめぐる在モスクワ日本大使館の情報収集能力に危機を覚え、佐々江賢一郎外務事務次官に「河野大使じゃダメだ。代えろ」と指示したのであろう。それを奇貨として佐々江氏は、国民と政治家を小バカにし、外務官僚の利益を図ることに長けた原田氏を駐ロ大使につけ、政治家に対する外務官僚の影響力評価を図ったのであろう。鈴木宗男氏が国会にとどまっていれば、このような人事はできなかった。

(文/鈴木宗男 佐藤 優 取材協力/小峯隆生)

■新党大地HP【http://www.muneo.gr.jp/


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