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アニメの公式ネット配信が増えた理由

[2011年10月20日]

9月28日、金沢市の小学校教諭が『涼宮ハルヒの憂鬱』や『けいおん!!』をネットで無断配信したとして逮捕された。

こうした違法行為がアニメ業界で問題になったのは、06年頃、『ハルヒ』がYouTubeに大量アップされた頃だ。これに、『ハルヒ』版元の角川書店・井上伸一郎社長は、かつて記者の質問に対して、「違法行為は違法行為。徹底して削除要請をする」と語り、事実、専門部署を置いてネットの隅々をチェックする体制を作った。

しかしその後、角川はYouTubeと提携し、MAD動画と呼ばれるファンの作った動画にまで広告を表示させるという新たなビジネスを始め、業界を驚かせた。

「どのような形でも、アニメの映像素材を無断で使ったネット配信は明らかに違法ですが、もともとローカル局の深夜帯で放送された『ハルヒ』が日本のみならず世界的な人気を得たのは、ネットの違法動画が宣伝になった結果にほかなりません。こうした事態に、メーカーとしてはジレンマを感じているでしょうね。最近、公式でネット配信するサービスがにわかに増えましたが、これには『どうせネットでの違法な視聴を止められないなら公式にやってしまおう』という気持ちもあるような気がします」(ライター・多根清史氏)

これまでにも、旧作アニメを公式配信する有料サイトはあったが、昨年夏からニコニコ動画では無料・有料を組み合わせた形で新作アニメの配信を大々的に始めた。また、今年8月からは、バンダイチャンネルが月額1000円という低額で新旧の名作をいくらでも観られるというサービスを開始し、ファンにインパクトを与えた。

さらに、今秋スタートの新作アニメの中でも、『Fate/Zero』は8ヵ国語の字幕をつけて第1話を無料配信するという斬新な試みを展開。これが成功すれば、広大な海外市場へパッケージを売り込める可能性がある。

だが、有料でも無料でも、こうしたネット配信が大きなビジネスに結びついたことは今のところ例がないという。

「配信料での売り上げは微々たるもの。その上、無料ないし低額での配信がたたって、レンタルビデオの回転が落ちるという懸念がある。業界最大手のあるメーカーは、レンタル市場とのバランスに鑑(かんが)み、配信料引き上げに踏み切ったようです」(メーカー広報)

実際、09年のデータでは、アニメ産業の総売り上げ2164億円のうち、有料配信の総額は123億円と、6%程度。しかも、それによってレンタル市場やパッケージ市場が圧迫されるとしたら、ネット配信の未来はそれほど明るいものではないといえそうだ。

(取材・文/西中賢治)


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