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政府がいまだ飛散を認めないストロンチウム90の危険度は「セシウムの300倍」

[2011年10月24日]

千葉県柏市で毎時57.5マイクロシーベルトの放射線量が測定された問題に対し、23日、文部科学省が現地調査を行なった。結果、「福島第一原発事故で放出された放射性セシウムを含む雨水が濃縮、土壌に染み込んだ可能性が高い」との見解を発表した。

事故当初から「放射性物質が“大量に”飛び散っている可能性は低い」と曖昧(あいまい)な表現を繰り返してきた政府だが、自治体や一般市民らの独自調査により、もはや広範囲での飛散は疑いようのない事実となっている。

国民の最大の関心事は、それが健康に影響がある量、および物質なのかという点。だが、いまだ飛散が正式にアナウンスされていない危険物質がある。それが「ストロンチウム90」だ。10月12日、横浜市港北区のマンション屋上から検出され、後に港北地区のほかの2ヶ所でも見つかったこの物質、福島第一原発から100キロ圏外では初めての検出ということもあり、このニュースはマスメディアでも取り上げられた。

そもそもストロンチウム90とは、いったいどんな物質なのだろうか。福島第一原発事故の汚染を研究するタイ国立大学講師・小川進博士はこう解説する。

「ストロンチウム90は原子炉内でしか生まれない人工物質なので、原発事故現場から飛んできたと考えられます。この物質が何よりも恐ろしいのは、ほかの放射性物質よりも格段に毒性が強いこと。セシウム137やヨウ素と比べて放射能が及ぶ範囲は狭いですが、エネルギー量がケタ違いに多く、危険性はセシウムの300倍ともいわれています。人体に入ると骨に蓄積し、内部被曝によって、骨髄腫や造血機能障害などの難病を高い確率で発症させかねない物質なのです」

これまで東京電力や政府は、「ストロンチウムは重い物質なので遠くには飛ばない」と説明してきたが、市民による調査で今回初めて発見された。だが、それでも国はいまだ調査を行なおうとはしない。

「ストロンチウム90の元素は、ほとんど気体状態で長距離に広がりました。飛散していったのは横浜だけではない。間違いなく関東全域に降り注いでいます。しかも、ストロンチウムや、政府が先月ようやく飛散を認めたプルトニウムが発する放射線は、セシウムやヨウ素が発するものよりも人体に与える影響は強いものです。にもかかわらず、測定は難しいとして、政府はストロンチウムを測ろうとしていません。ストロンチウムが各地で発見され、健康被害が問題になることを避けたいのでしょう」(小川博士)

次から次へと明るみになる、放射性物質飛散の真実。正確な情報がなければ、対応することもできない。

(取材/有賀 訓)

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