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一度観たら忘れられない……「トラウマ映画」の魅力をブームの火付け人、町山智浩が語る

[2011年12月20日]

深夜にテレビで放送されていた映画を何の気なしに見始めたら、その作品がどうしても頭から離れなくなった……。そんな「トラウマ映画」が今、静かなブームとなっている。

その火付け役となった書籍『トラウマ映画館』の著者・町山智浩氏は、「トラウマ映画」の定義をこう説明する。

「忘れたくても忘れられないというか、観終わった後、自分の嗜好に大きく影響するような映画だね。例えば、頭のおかしなヤツがひとり暮らしの老婆の家に侵入していじめる『不意打ち』っていう作品があるんだけど、僕の友人のホラー作家・平山夢明はそれを思春期に観て、ひとり暮らしの家にキチ○イが入ってくる作品ばかり書くようになったみたいよ(笑)」

まさにトラウマだが、こうした体験は「観よう」と思って映画館で観る作品よりも、テレビで放映されている作品を観たときに起こりがちだと町山氏。

「実は僕が著書で紹介した作品の大半はテレビで観たものなんです。昔は一日中、どこかの局で映画をやってたでしょ。だから、風邪で学校を休んで映画を観たらビックリ!みたいなこともあった(笑)。僕と同世代の映画好きに聞いてみたら、昔、似た経験があろうようだし、ある時代までは、テレビを通じた映画との不意の出会いがトラウマ映画を生んでいたんだ」

残念ながら、今は地上波テレビでの映画番組は昔よりずっと少ない。そのため、トラウマ映画との「出会い」も稀になりつつある。今、トラウマ映画と出会う方法はあるのか。

「大型のレンタルビデオ店で訳のわからない作品を観てみるとか。本当は、どうでもいい映画を流してくれるテレビ局があるのが一番なんだけどね。深夜番組なんか作らずに、放送権料無料のB級映画を流せば、お金もかからないし、いいと思うんだけどね」

映画の楽しみ方のひとつとして広まりつつある「トラウマ映画」。感動作とはまた違った異味で、「生涯忘れられない1本」に出会える映画鑑賞法といえる。

(取材/大野智己)


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