野田佳彦首相は13日、5閣僚を交代させる内閣改造を行なった。岡田克也前幹事長が副総理兼、一体改革・行政改革担当相に任命され、問責決議を受けた一川保夫防衛相、山岡賢次国家公安委員長は退任となった。
この内閣改造の狙いについて、「行政改革、政治改革、社会保障と税の一体改革を着実に推進するための、最善かつ最強の布陣をつくるため」と語った野田首相。今月6日に公表され、消費税の増税などが盛り込まれた「社会保障と税の一体改革」素案を、一気に推し進めていく構えだ。
この素案には、消費税アップの代償として給付つき税額控除、非正規社員の厚生年金・健康保険加入の拡大など、所得水準の低い人にとって優しい改革も盛り込まれている。だが、元経済産業省官僚の古賀茂明氏は、「ウソが交じっている」と一刀両断する。
古賀氏が槍玉に挙げるのは衆院議員定数の80削減だ。議員ひとりにかかる年間経費は7000万から8000万円ほど。80人削減なら、それだけで60億円前後の国費の節約になるのだが……。
「削減する80議席は比例区の定員。でも、それでは比例区選出の議員が多い公明党などが壊滅的なダメージを受けるため、絶対に賛成しない。つまり、この削減案は実現性が薄い。野田政権はそれがわかっていて、あえてメニュー化したのでしょう。80削減を実行できなくても、それは野党が反対したせいだと言い訳できますから」(古賀氏)
つまり、衆院定数80削減はメイン項目である消費税アップを実現するためのお飾りに過ぎないということだ。
さらに素案には、国家公務員の給与を平均7.8%引き下げる「給与臨時特例法案」の早期成立を図るという一項もある。国民に消費税アップという負担を求める手前、官僚にも身を削らせることをアピールしたものだ。
「これもアリバイ工作でしょう。なぜなら、この特例法案の措置期間は平成26年3月31日まで。その翌日からは給与水準は元に戻ってしまう。成立したとしても、官僚は1、2年給与カットを辛抱するだけで済むのです」(古賀氏)
一見、不公平を無くし、バランスを取った改革案のように思えるが、実際は“搾取”するものは実現し、“還元”するものに関しては「努力したが実現不可能だった」で済ませる可能性が高い。野田首相には、全て「ネバーギブアップ」の精神で臨んでほしいものだ。













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