週プレNEWS TOP 連載コラム 逆に教えて!! 加藤嘉一が予見する2012年の中国「中国には『お尻が脳ミソを決める』という諺(ことわざ)がある」

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加藤嘉一が予見する2012年の中国「中国には『お尻が脳ミソを決める』という諺(ことわざ)がある」

[2012年01月23日]

今週から2回にわたって今年の中国の動向を展望したいと思います。
まずは、この秋に発足する新政権の“キーパーソン”についてです。

2012年は、中国にとっては変化の年です。政治を視る“前提”が変わります。そこで今週と来週の2回にわたって今年の中国を占ってみたいと思います。

今週のテーマは、変化のカギを握る人物。皆さんご存じのとおり、現在、国家副主席を務めている習近平氏で間違いないでしょう。

今年の秋に開催される予定の中国共産党第十八回全国代表大会で習近平氏が共産党トップの総書記に任命され、新政権が始動する見通しです。毎年のように首相が代わる最近の日本とは違い、中国における首脳陣の交代は10年に一度の重要な節目。目を凝らして見ておく必要があります。

この10 年で、中国は確かに恐るべき経済発展を遂げました。しかし、その間に北京オリンピックや上海万博というナショナルイベントが行なわれたこともあり、国家主席である胡錦濤氏が最も力を注いだのは、実は「社会の安定」と「国威発揚」でした。その半面、内政面での本質的な改革はむしろ滞っているというのが実際のところです。

次の国家主席は、先送りされてきた数々の難題に立ち向かわなければならない。社会保障をはじめ、格差是正、教育制度、戸籍や土地売買の法整備など、社会システムの近代化をいかに進めることができるのか。国民生活に直接関わる問題について、どれだけ具体的な成果を挙げられるのか。これが最大のミッションになります。

習近平氏は性格的には非常に保守的で、これまではそれほど目立つ人物ではありませんでした。しかし、中国にはこんな諺(ことわざ)があります。

「お尻が脳ミソを決める」 

どこに座るか、言い換えれば「どの地位にいるか」が「何をするか」を決めるという意味なんですが、習近平氏も国家主席という立場になれば、積極的に改革を推し進める可能性は十分にあります。

気をつけなければならないのは、習近平氏だけを見ていても中国の政治や政策はわからないということ。国家主席には、独断ですべてを決めるような権限はないんです。

中国の最高意思決定機関は、国家主席を含め9人の首脳で構成される中国共産党中央政治局常務委員会。9人の意見が割れれば、最後は投票です。つまり、国家主席以外の8人がいったいどんなメンバーになるのか―これが非常に重要なんです。彼らがいかにバランス感覚に長け、いかにリベラルか。そこが中国の未来に大きな影響を与えるでしょう。

そういう意味では、あまり目立つタイプではない保守的な習近平氏は、バランサー型の国家主席としては適任かもしれません。中国のトップには、もはやカリスマ性はさほど求められていませんし、日本人が思っているよりもずっと世論や世間の動向を気にする傾向にあります。

原則として中国国民には選挙権はありませんが、見方によっては「中国版ツイッターでひと言つぶやくだけで、政府に意思を伝えることができる」という状況にあるとぼくは実感しています。

首脳が世論やネット上の言葉を常に気にかけ、しかも最高意思決定機関は多数決。一般市民に選挙権があっても投票率の低い日本より、ある意味では国民が国政に強い影響力を持っていると言えるかもしれません。

それでもただ漠然と中国を「独裁国家」だと突き放し、内情を理解しようとしないなら、その理由を逆に教えて!

今週のひと言
次期国家主席だけを見ていても、中国の動向は決して読めない!!

■加藤嘉一(かとう・よしかず)
1984年4月28日生まれ、静岡県出身。高校卒業後、単身で北京大学へ留学。中国国内では年間300本以上の取材を受け、多くの著書を持つコラムニスト。日本語での完全書き下ろしとしては初の著作となる『われ日本海の橋とならん』(ダイヤモンド社)が絶賛発売中!


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