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打撃は怪物、守備は幼稚園児? 日本ハムルーキー、大嶋匠はホンモノか

[2012年02月23日]

史上初、ソフトボールからドラフトでプロ入りした日ハム、大嶋。プロ初打席でホームランを放ったその実力は本物か?

パワーだけでなく選球眼も小技もある

今年のプロ野球キャンプの目玉のひとり、北海道日本ハムのドラフト7位ルーキー・大嶋匠(たくみ)捕手(22歳)。キャンプイン当初は硬式野球の経験ゼロの“素人”として、ある意味、イロモノ扱いをされていたが、2月8日の紅白戦、初打席初スイングでバックスクリーン直撃のホームランを放ち、周囲の見る目が変わった。沖縄で取材を続けるスポーツ紙の日ハム番記者がこう語る。

「あの一発には度肝(どぎも)を抜かれました。調整段階の投手相手の紅白戦とはいえ、あそこまで飛ばせるバッターはプロにもそうはいない。パワーは間違いなく一流。選球眼もよく、追い込まれるとバットを短く持って当てにいくなど小技も利く。本人も『当てるだけなら自信がある』と言うとおり、バットコントロールも相当なもの」

打撃への評価は日に日に高まり、栗山英樹新監督も「ボールのとらえ方、バットの角度にいいものがある」「こちらが思う以上にボールへの対応力がある」と、その打撃センスに目を細めている。野球評論家の大塚光二氏もこううなる。

「打撃練習を見たときはこれといって特別なものは感じなかったのですが、ああやって実戦形式で結果を出すのは典型的な実戦向きの選手といえます。また、並の新人なら1年目の春季キャンプではプロのスピードについていくだけでも大変なのに、彼は『速さは感じない』と言ってのける。もしかしたら、すごい怪物かもしれない」

男子ソフトボールの投手が投げる平均時速120キロ超の速球は、野球での体感速度は170キロ以上ともいわれる。そんなソフト界で、大学時代に13試合連続を含む通算80本塁打、打率5割超という記録を残してきた大嶋にとって、140キロから150キロ程度の速球を打つのは簡単なことなのかもしれない。

「真っすぐだけなら、どんな速球でもある程度は打てるでしょう。問題はプロの変化球に対応できるか。特に大きな変化ではなく、手元で微妙に動くボールについていけるか。そこは未知数ですよね」(球技ライター・大島和人氏)

変化球への対応力については、現場の記者の間でも意見が分かれる。「見極めはできている」との肯定的意見から、「今のタイミングの取り方では一軍レベルの変化球は対応できない」といった否定的な意見まであり、総合的に見て、大嶋の打撃は本物か、という問いの答えはまだ出せないようだ。

「いずれにせよ、野球ばかりをやってきた選手に比べて伸びしろ、改良の余地は大きいはず。しかも糸井嘉男、田中賢介、中田翔など、日ハムはよい素材を形にできるチームでもありますからね。まずは今後、プロの投球術を目(ま)の当たりにして、どれくらい力を発揮できるのか、今から楽しみにしたいところです」(前出・大島氏)

「幼稚園レベル」の守備面をどうするか

このようにバットマンとしての期待値は高い大嶋だが、守備面については厳しい意見が飛ぶ。

「はっきり言って、キャッチャーとしてはアマ以下。現場では『幼稚園レベル』との声もあります。まず、キャッチングがひどい。実際にブルペンで武田勝のボールを受けていたときも、捕球の際に乾いたミット音を立てることが少なく、『パス、パス』と気の抜けた音ばかり(苦笑)。あれではピッチャーも拍子抜けというか、気持ちよく投げられません。投球練習が終わった後に、二軍の福澤洋一バッテリーコーチが武田に歩み寄り、すまなそうに頭を下げていたのが印象的でした」(前出・番記者)

実際、日ハムの某コーチは「あれでは投手の球が死んで見える。アピールしなければいけない若手は大嶋には受けさせられない」とまで言っているという。悲しいかな、現状ではブルペンキャッチャーすら務まらない、というのが守備面での評価のようだ。

「ただでさえキャッチャーはスローイングからリード、試合の状況判断など多くを求められ、プロとアマの力の差が激しいポジション。見たところ、大嶋君の守備が短期間で劇的に上達するとも思えない。守備のことで頭がいっぱいになって打撃にも悪影響を及ぼしかねないので、今はまず自分の長所である打撃面を伸ばすことだけを考えて、オープン戦に臨んでほしい」(前出・大塚氏)

すでに栗山監督や山田正雄GMはファーストへのコンバートや指名打者(DH)での起用をほのめかしている。それだけ打撃力を買っているわけだが、DHやファーストのポジション争いには、2000本安打が目前に迫ったベテランの稲葉篤紀をはじめ、スレッジ、ホフパワー両外国人、さらには外野陣の状況次第で中田翔が参戦する可能性もあるなど、越えるべきハードルは極めて高い。

「総合的に見て、1年目からスタメンでバリバリ活躍するというのは現実的ではない。代打職人という手もありますが、打撃への称賛の声が目立つ一方で、実はチーム内には『代打要員としてベンチに入れるほど力があるか』『打つだけの選手ならほかにもいる』といった冷ややかな意見もある」(一般紙運動部記者)

また、時折とはいえ報道陣を小バカにするような態度も見受けられ、一部の記者からは「生意気」との声も上がっている。早くもチーム内外から漏れ聞こえてくる雑音。彼らを黙らせるには、やはりバットで結果を残すしかない。

「リップサービスではなく、彼の打撃には本当に可能性を感じます。ソフトボール出身の“開拓者”としてどこまでやれるか。久々に大いなるロマンを感じる選手ですよ」(前出・大塚氏)

まさに2012年、球界最大の“ロマン枠”。その秘めたる力は花開くか。

(取材・文/木場隆仁、写真/益田佑一)


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