週プレNEWS TOP ニュース エンタメ 岩手県出身の漫画家たちが集結。漫画でエールを送る『コミックいわて2』

ニュース

岩手県出身の漫画家たちが集結。漫画でエールを送る『コミックいわて2』

[2012年03月15日]

3月30日発売の『コミックいわて2』。岩手県出身の漫画家たちが、復興の思いを込めて故郷へ送る一冊だ(発売前のため、表紙は変更になる場合があります。ご了承ください)

『伝染(うつ)るんです。』の吉田戦車氏や『ときめきトゥナイト』の池野恋氏、『とりぱん』のとりのなん子氏……。岩手ゆかりの作家ばかりを集めて話題になった『コミックいわて』は昨年1月に発売され、現在までに3刷・計3万6000部を発行している。決してコアなマンガ好きにしか知られていないワケじゃない。この本の続編『コミックいわて2』が、3月30日に発売になる。

出版に至る経緯を、岩手県政策地域部政策推進室の工藤一幸氏が語ってくれた。

「『コミックいわて』は手探りのなかでの出版でしたが、一部書店では欠品状態になるほどの勢いで販売されました。反響が予想以上に大きかったこともあり、第2号の出版に関する検討は、前作の発売後、かなり早い段階で開始していたんです」

しかし、昨年3月11日、東日本大震災が起きた。岩手県の被害も甚大だった。

「発災に伴い、震災対応を最優先とする必要が生じたことから、この案件自体をいったん休止しました」(工藤氏)

しかしその後、達増拓也知事から次のような指示があったという。

「復興に向けた取り組みが本格的に始まってきている状況を受け、今後は全国の方々に応援していただけるような前向きな企画も必要ではないか、と。知事が最終的に判断し、もう一度出版に向けた取り組みを再開することになったんです」(工藤氏)

こうして動きだした『コミックいわて2』には、前出の吉田氏や池野氏、そのだつくし氏、地下沢中也氏ら前作に作品を寄せた漫画家に加え、ウェブサイト『週プレNEWS』で『彼女のカレラ』を連載中の麻宮騎亜氏、『ゴルゴ13』であまりにも有名なさいとう・たかを氏、『ドラゴン桜』などヒット作多数の三田紀房氏らも新たに参加。売り上げの一部を義援金とする仕組みも整った。

「本県は大震災で、大変多くの方々にさまざまな形で支援をいただいております。そういった方々に、あらためて岩手の魅力に触れていただき、岩手を身近に感じていただければ。もちろん、県在住や出身者の方にも、読んで故郷への思いを共有していただければ幸いです」(工藤氏)

思いもしなかった震災を経て、立ち上がろうとしているふるさと。漫画家たちがペンに込めた復興への思いを知るために、まずは週プレゆかりの作家であり、『地上の光は全て星』を寄稿した麻宮騎亜氏に話を聞いた。彼は震災後、個人で復興支援活動をしていたところ、県から声をかけられたという。

「それから、岩手県の良さを日本に広める手助けができればといろいろ考えました。で、浮かんだのが宮沢賢治。それを味つけに、初めて岩手に来た女のコが県のさまざまな場所を訪ねる話にしました」

麻宮氏は今回、県内の観光スポットを数多く回ったそうだ。

「ページ数の関係でごくわずかしか載せられませんでしたが、いろいろ訪れました。こういう形で岩手に恩返しできるのはうれしいですね。もし『コミックいわて3』が出るなら、また描かせてほしいと思っています。次は盛岡の“石割桜”を描きたいんですよ。ぜひシリーズ化してほしい」

一方、前作で地元に伝わる「さんさ踊り」をテーマに描いたそのだつくし氏は、現在、岩手県雫石町に在住。そこで習った踊りが、今回の作品『もうひとつのさんさ踊り』でもネタになっている。

「雫石町に住んでから“伝統さんさ踊り”を習っていたんですけど、集落ごとに踊りが違って、盛岡のさんさ踊りともちょっと違う。私たちが住んでいる集落は、たまたま昔、大船渡市にお世話になったことがあったらしくて……。それで地震があった後に、みんなで踊りに行くベーっていうのが今回の内容なんです」

彼女は、物書きとして復興の話を描いて原稿料をもらうことにひどく心が痛んだという。

「でも、売り上げの一部を義援金にすることに決まって……。本当にうれしかったですね。読者の皆さんには、この本を読んだことをきっかけにして、ぜひ岩手県に遊びにきてほしい。そして『コミックいわて』を読んで、もっとたくさんの作家さんが岩手から生まれてほしいなって思っています」

前作の続編として『バンカラの恋』の第弐話を描いたのは、『パパと踊ろう』で知られる地下沢中也氏。ちなみにバンカラとは、擦り切れた学生服に高ゲタ、マント、学帽で、腰に手ぬぐいを下げた日本古来の精神を守るスタイルを貫く男子学生のこと。実は、この文化が顕著なのが岩手県なのだ。

「前作がかなり評判が良かったらしくて、今回も描かせていただきました。バンカラ高校出身の人以外に、こんな高校があったんだとか、日本もなかなか豊かじゃないかって思ってもらえたらうれしいです。震災があって意識したわけじゃないですけど、マンガの中で“オレがやらねば誰がやる”“前に進もう、進んでいこう”というふたつのセリフを入れてみました。なんか自然にそういう雰囲気になったんですよ。漫画家ってそんな感じでいいんじゃないですかね、政治家じゃないんだし(笑)」

勇気、元気と声高に叫ばなくても、地元の人々を思い、その絆を再確認するだけで、前へ進む力は湧いてくる。

ぜひ手にとって、漫画家たちのそれぞれの郷土愛を感じてほしい。この『コミックいわて2』には、それが詰まっている。

(取材・文/林 将勝)


関連コンテンツ

No.29 Jul 17th 2017

馬場ふみかカレンダー

連載コラム

Column

    連載コラムを見る

    Back Number

    • No.32 Aug 7th 2017
    • No.31 Jul 31st 2017
    • No.30 Jul 24th 2017
    • No.29 Jul 17th 2017

     

    Gravure Gallery

    もっと見る

    MOVIE Channel

    【動画】小倉優香、いま日本で一番水着が似合う女の子!

    もっと見る

    新刊のお知らせ

    • 週プレ グラビアスペシャル増刊 GW2017
    • 綾瀬はるか写真集『BREATH』
    • 『週プレ クルマ増刊』
    • 馬場ふみか写真集『ぜっぴん』
    • 馬場ふみか写真集『色っぽょ』

     

    プレイボーイコミックス

    メルマガ会員&アンケート 2017年No.32