週プレNEWS TOP 連載コラム "本"人襲撃 前のめりな自己顕示欲とちぐはぐな自己認識。「ビジネス書作家ってムズムズきませんか?」

連載コラム

前のめりな自己顕示欲とちぐはぐな自己認識。「ビジネス書作家ってムズムズきませんか?」

[2012年07月03日]

数多く出版されているビジネス書だが、本当に役に立つのか?“ビジネス書ウォッチャー”の漆原直行氏が明かす

「仕事の効率が10倍になる」「魔法のルールで人生すべてうまくいく」「クリエイターなら名刺に足立区なんて書くな!」など、ビジネス書界隈の人の主張には独特の香ばしさが漂ってるものも少なくない。

ビジネス書との適切なお付き合いについて、仕事上、ビジネス書を大量に読まなければならないというライターの漆原直行氏がまとめたのが『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』だ。

「ビジネス書といっても幅広いジャンルがあります。実務書や資格取得のための参考書はぜひ読むべきでしょう。私が問題にしたいのは『自己啓発』『成功法則』『ライフハック』の3系統です」

―本では、2000年代ビジネス書ベストセラーの変遷が詳細に分析されていますね。それによると、それら3系統が目立つようになったのは03年頃からとか。

「02年頃までは、経験・実績豊富な経営者や評論家、学者がビジネス書の主な書き手でした。それが03年頃から、本業がいまいち判然としない若手コンサルなどが書いた本がヒットし始めます。例えば、本田健氏の『ユダヤ人大富豪の教え』や神田昌典氏の『非常識な成功法則』といったタイトルです。神田氏あたりは元官僚で、外資系企業やコンサルティングファームで経験を積んでいるから、ちゃんとした人ではあるんです。ただ、大前研一氏、堺屋太一氏といった20世紀ビジネス書の重鎮と比べてしまうと、少なくとも当時の実績は見劣りする。

それ以降、海のものとも山のものともつかない若手経営者の本や、『成功する』『金持ちになる』いうことを臆面もなく書くものが増えていく。そんななかから、00年代後半に本田直之氏、勝間和代氏といったキャラの立った人が出てきます」

―ビジネス界で一定の認知をされている人が本を出すのではなく、知名度を上げるためにビジネス書を出す。そんなふうにビジネス書というメディアが使われるようになったと。

「はい。青くさいことを言うようですが、その転倒した感じが僕には不純に見えてしまう。もっと本業でがんばれよ、と。そしてそういう人たちの多くに感じてしまうのが、前のめりな自己顕示欲とちぐはぐな自己認識。2000年代にブレイクしたビジネス書作家たちにどこか共通する違和感、ムズムズ感がこの本の執筆動機のひとつなんです」

―最近は「パーソナルブランディング」「ノマド」ブームですね。

「自分を効果的に演出して価値を高めようとする『パーソナルブランディング』ブームにもムズムズきますね。煽りやスタイル先行という印象。

確かに自分の価値を高めていくのは大事なことです。でも結局、パーソナルブランディングの話はFacebookでどう目立つか、どんな名刺を持てばいいのか、といったテクニック論に寄りがち。そうなるといきおい、話を過剰に盛ったりして自分を虚飾にまみれさせてしまう。

ノマドもスタイルありきに見えてしまいます。だいたい、僕のような職業の人間とか忙しい営業マンなどはアポの合間にノートPCを開いて、やむを得ず喫茶店で仕事するとか、20世紀からやってますから。別にオシャレでも新しくもない」

―目立ちたい人がとっぴなことを主張してビジネス書が作られるとしたら、普通のサラリーマンはそれらとどう接したらいいんでしょうか。

「最近の自己啓発や成功哲学に関する本は読み方次第で過剰な危機感や万能感をもたらし、毒にすらなる。だったら、長く読み継がれている『思考は現実化する』『7つの習慣』などの古典を気軽に斜め読みする程度で付き合っていけばよいのでは。基本的に今の日本で出ている自己啓発書は、どれもこれら定番本の焼き直しですから」

●漆原直行(うるしばら・なおゆき)
1972年生まれ、東京都出身。ライター・編集者。多くのビジネス関連誌に関わり、多くのビジネス書を読んできた“ビジネス書ウォッチャー”。著書『ネットじゃできない情報収集術』(マイコミ新書)など

『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』
マイナビ新書 872円

新刊が山積みされ、キャラ立ちした作家が大量に生まれた2000年代後半の「ビジネス書ブーム」。その系譜、ワンパターンなロジック、"ビジネス書ビジネス"の裏側、読者の実態を描き出す。果たしてサラリーマンはビジネス書とどう付き合うべきなのか?


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