ITセキュリティ大手のマカフィーの報告によると、スマートフォン(スマホ)を狙う不正アプリは、2012年の上四半期だけで8000件以上確認されたという。その件数は1年前の約10倍にも当たる。
急増の背景には、もちろんスマホ自体の普及率の伸びがあるが、同時に、不正アプリの製作が「簡単」という点もある。
「技術的にJava(一般的なプログラミング言語)がベースになっているので作りやすいし、ちょっとした不正アプリならプログラム経験がなくても『はじめてのアンドロイド』みたいな本を買ってきて改造すれば、2日くらいでできてしまう」(ITセキュリティの大手・シマンテックの林薫氏)
そのからくりについて、マカフィーの石川克也氏が解説する。
「無料アプリを使うとよく広告がポップアップしますが、それはアプリ開発者が、広告のプログラミングがパッケージになっている“アドウェア”を組み込むからです。するとアドウェアを提供する会社から開発者に金銭が入ってくる。このアドウェアの中に、例えばユーザーの位置情報やウェブの閲覧記録などを勝手に送信してしまうプログラムが組み込まれているケースがある」
しかし、これが違法かといえば、アプリ開発者が「こういう情報を取りますよ」と利用規約の中でキチンと説明している限り違法ではない。ユーザーはこの利用規約に同意した上でアプリを使用するからだ。
そして、不正アプリを開発する業者はこの仕組みを逆手に取る。ネット犯罪に詳しいIT専門誌記者の丸森喜一氏が語る。
「悪い連中はこの仕組みを利用するわけです。人気アプリを違法コピーし、その中にアドウェアを組み込むだけ。ゴハンにふりかけをするようなものですから、『素人でも2日あればできる程度の技術』で金儲けができる」
ユーザー側からすれば、こうした不正アプリを使っても、広告が出てくるぐらいなので気にならない。しかし、その裏で大切な個人情報がダダ漏れしている可能性もあるのだ。
「不正アプリの場合、違法性がはっきりしているのですが、クリーンなアプリでも利用規約で『マーケティング情報としてお客様の情報を一部活用させていただきます』と断って、スマホに入っている個人情報にアクセスして持ち出される場合は、その時点では何もなくとも後々になって悪用されると、止めるすべがない」(林氏)
数年後には、スマホの個人情報は流出するのが当たり前となり、問題にすらならなくなるという声も。結局のところ、自分のスマホは自分で守るしかないのだ。




















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