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被災地で大勢のボランティアが自発的に「商店街」のガレキを片付けた理由

[2012年07月10日]

被災地で仮設商店街の調査を行なう新氏。「商店街は地域の核になることができる」と語る

人情あふれる『三丁目の夕日』的なものの象徴とされやすい商店街。「シャッター通り」も、旧きよき時代へのノスタルジーとセットで語られがちだ。

そんな商店街が、実は新しく、人為的に作られた空間だと主張するのが光文社新書の『商店街はなぜ滅びるのか 社会・政治・経済史から探る再生の道』。いったい、どういうことだろうか、著者の新雅史(あらた・まさふみ)氏に聞いた。

「魚屋、八百屋、酒屋、洋品店といった専門店が、1ヵ所にまとまった場所にあって、ずっと昔から地域の人の消費を支えながら憩(いこ)いの場として機能してきた。多くの人の商店街のイメージはこのようなものでしょう。ですが、商店街そのものが実は相当新しいのです。

時期的には、大正から昭和初期に遡(さかのぼ)ることができます。その頃の日本は大不況で、地方から職を求めて都市へやって来る人が絶えませんでした。しかし、都市部にも雇用の受け皿が十分にあるわけではない。そこで彼らは貧相な店舗や屋台で小売りをするようになります」

―マニラやクアラルンプールのスラムでは、怪しげな土産物屋や露天商がたくさんありますね。あんなイメージですか?

「そういうスラムにならないように商店街は考え出されたということです。ひとつの商店街で、八百屋はひとつ、魚屋はひとつと業種がかぶらないように出店して、その上で八百屋や魚屋、魚屋や洋品店で協力すれば、買い物袋を一緒に調達できるし、宣伝でも協力できる。零細小売業であっても『中流』になることができるし、地域の人にとっても便利ですよね。専門店が集まって共存共栄を図ることから、当時、大衆化し始めたデパートにならって『横の百貨店』と呼ばれたんです」

―商店街は人為的に作られたものだということですね。だから、作られた当初の理念に立ち戻ればリビルドすることもできるはず、と。そのための方策が、本の中では具体的に語られています。しかし、コンビニやショッピングモールができた今でも、商店街の復興は可能なのでしょうか?

「商店街は、便利さではとてもかないませんね。しかし、それだけで両者を比較してもいいのでしょうか。昨年、東日本大震災で津波被害を受けた宮城県石巻市では、大勢のボランティアが誰かに言われたわけでもないのに商店街のガレキを自然に片づけていました。壊滅的な打撃を受けたかに見えた商店街から、震災からわずか4ヵ月ほどでガレキがなくなったんです。一方、宮城県の多賀城市中心部のショッピングモール地区では、ボランティアはほとんど見当たらず、再開した店舗もわずかでした」

―両者の違いは、商店街があるかどうかということですか。

「そうです。商店街のほうにボランティアが行ったのはわかる気がしませんか。別に多賀城市が好きとか嫌いということではなくて、ボランティアとして被災地に入っても、イオンやヤマダ電機のガレキを片づけには行かないと思うんです。その理由は、商店街が単に買い物するだけでなく、生活の場でもあるからではないでしょうか。

ショッピングモールは買い物の便利さを最大限に追求した空間ですが、買い物以外の機能は極めて弱い。このような、ひとつの機能を満たすにはすごく便利だけど、ほかのことはできない、そんな空間が被災地だけでなく今の都市には増えているように思います」

―商店街ではいろんなことができそうですね。

「消費するだけではない、人が暮らしているから生じる、『余白』のようなものがあるからでしょう。だからボランティアが入り込めたんだと思うんです。やはり商店街は地域の核になることができる。そんなポテンシャルを再認識できれば、商店街を新しく作り直すことができると思います」

●新 雅史(あらた・まさふみ)
1973年生まれ、福岡県北九州市出身。学習院大学非常勤講師。東日本大震災で被害を受けた岩手県大槌町や釜石市で仮設商店街の調査を行なっている

『商店街はなぜ滅びるのか
社会・政治・経済史から探る再生の道』
光文社新書 777円

商店街は自然発生的に生まれたものではなく、意図をもって発明されたものだった。しかし当初の理念を忘れ、今では衰退しつつある。もはや商店街は社会から必要とされていないのか。誕生と繁栄・衰退をたどることで、再生に必要なものが見えてくる


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