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今、男性の膣内射精障害が問題になっている

[2012年07月26日]

最近、性行為の際に射精できない若い男性が増えているという。いったい、どういうことなのか。泌尿器科医の小堀善友先生が説明する。

「性交時に膣内で射精できないという性機能障害のひとつです。今まで性機能障害といえば、ED(勃起不全)が主でした。しかし、バイアグラに代表される治療薬の登場で、EDは飛躍的に治療が進みました。すると、それまでEDの陰に隠れていた膣内射精障害が大きくクローズアップされるようになってきたのです」

膣内射精障害とは、自慰行為では射精できるが性行為では射精できないという、なんともやっかいな病気のこと。小堀先生が勤める獨協医科大学越谷病院で15ヵ月間にわたってデータを取ったところ、不妊症で外来した男性患者549人のうち46人がなんらかの射精障害を訴え、そのうちの16人が膣内射精障害だったという。

「近年は増加傾向にあり、潜在的な人数を考えると相当数になると思われます」(小堀先生)

では、この病気はどういった原因でかかるものなのだろうか。

「膣内射精障害の病因は不適切な刺激方法によるものと心因性のものとに分類されますが、その多くは不適切な刺激方法、つまり、間違ったマスターベーションによるものなんですね。そのなかでも特に多いのは、布団や畳などに圧迫して射精する、非用手的マスターベーションです。男性器を手で上下にこする一般的な方法と違って、圧迫することで快感を得るんですね。この方法に慣れてしまうと、性行為で射精することはおろか、手を使ったマスターベーションで射精することすら、とても困難になってしまいます」(小堀先生)

さらに、次のような行為も膣内射精障害の要因になるという。

「強すぎるグリップです。手を使ってマスターベーションをするのですが、握る力が強すぎるため、膣の刺激では弱すぎて射精に至らないというケースです。どれくらい強く握るかというと、一般男性がマスターベーションのときに男性器を握る握力が平均4.25kgだったのに対し、強すぎるグリップで射精障害になっている患者さんは軒並み10kgを超えていたというデータがあります」(小堀先生)

膣内射精障害になってしまった場合の治療法としては、正しいマスターベーションを心がけることが一番だそうだ。

「面白いことに、膣内射精障害が報告されているのは世界でも日本だけなんです。アメリカで射精障害というと、そのほとんどが早漏です。なぜ膣内射精障害が日本だけなのかは今後の研究課題ですね。ともあれ、今後は思春期の性教育における正しいマスターべーションの指導方法などが、より重要になってくることは間違いありません」(小堀先生)

射精障害に悩む患者が増えれば、日本の出生率に影響を与える可能性もある。いずれ、学校の授業で「正しいマスターベーションのやり方」を教わる日が来るのかもしれない。

(取材・文/浜野きよぞう)


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