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ネス湖のネッシー探索が本気すぎるほど本気な件

[2012年08月24日]

ネッシーについての過去の資料や調査結果などの展示物が恐ろしく充実している、インヴァネスのネス湖エキシビションセンター

ロンドン五輪効果もあってか、イギリスのネス湖が空前の「ネッシー」ブームに沸いている。ニューヨークの一流タブロイド紙『ウイークリー・ワールド・ニュース』のニール・マクギネス編集長によると、地元漁船のソナーが大小2匹のネッシーらしき影をとらえたというのだ。これを機に、老人から子供まで、驚くほど多くのネッシーマニアが世界中から集まっているという。

ネス湖ほとりの街、インヴァネスのホテル組合のアルトマン氏は言う。

「せっかくイギリスまで来たら、ネッシーかビートルズに会って帰りたいと思うのが人情だろ」

そもそもネッシーとは、イギリス・スコットランド北部の辺境に位置するネス湖に棲むとされるUMA(未確認生物)の代表的存在。その姿はジュラ紀に生息していた首長竜プレシオサウルスそのもので、絶滅したはずの恐竜の生き残りか……と、注目されている。

スコットランドでは6世紀頃から“ネス湖のモンスター”としてその存在が伝わっていたが、1933年に相次ぐ目撃事件、そして後に「ジ・オリジナル」と称される写真がイギリスの『デイリー・メール』紙に掲載され、一気に大ブレイク。今日に至るまで、世界中の研究者がその姿を追い求めているのだ。

ネッシーの歴史や過去の貴重な調査成果を体系的に展示している、インヴァネスのネス湖エキシビションセンターを訪れると、「絶対に存在する」という大前提の本気度がハンパない。調査のたびに、その時代の最新の探査機器と最高の科学者やエンジニアが投入されていたことが分かる。

同センターの展示によると、ネッシーが発見されない理由のひとつはネス湖の透明度の低さにある。視界わずか3mという濁りは、姿を隠すには最適だ。この濁りの正体である大量のプランクトンを食べる小魚がおり、それを食べる大型魚がいるという食物連鎖の上に、大型の捕食動物が存在していても、なんら矛盾はないのだ。

実際に湖畔に降り立ち、水温を測ってみると18度。水中の目視できる動物性プランクトンの量を計測したところ、10回平均で1リットル当たり1000匹程度と、公開されているデータより数倍多い。

高速艇で湖上から調査すると、霧が多く湖の全貌は見渡せない。船に備え付けの最新型ソナーが水深50mあたりに壁状の反応を示すが、船長のフィリップ氏によると、これはネス湖特有の現象。水面側の暖かく栄養分に富んだ層と、湖底側の水温が低く流れの非常に速い層にくっきり分かれているためだという。これがソナーの音波を屈折させ、湖底部の探査を困難にしているのだ。

目撃情報が最も多いというアーカート城沖の湖最深部(水深約290mの裂け目)のあたりで、日本から持ち込んだ水中カメラを4mのポールの先につけ湖面に突っ込んでみるが、視界3mの黄色い水が映るだけ。カメラにバラストをつけ、釣り竿の先に結びつけて50m以深を目指しても、5m以深は太陽光が届かず真っ暗。それを承知で50mまで下ろしても、カメラが激流に押されてまともに撮影できなかった。

“疑惑“の中心である裂け目は、カメラもソナーも拒む暗黒のかなたにある。21世紀の最新技術をもはね返すネス湖、恐るべし……。

(取材・文・撮影/近兼拓史&本誌UMA取材班)

■週刊プレイボーイ36号「ネッシーJr.は確かにそこにいた!!……としか言えない」より


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