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笹子トンネル崩落と地殻変動の無視できない関連性とは?

[2012年12月18日]

12月14日、国土交通省と中日本高速道路は、中央自動車道「笹子トンネル」の天井板落下事故で調査の結果、確認されたトンネルの不具合は670ヵ所にのぼると報告した。

この数の多さにも驚くが、この事故にはトンネルの不具合以外にも、いくつか無視できない要因が絡んでいる可能性がある。そのひとつは、笹子トンネルが走る標高800mほどの山岳地帯では、周辺地域には見られない「磁気異常」が発生していることだ。

磁気異常とは、地震・火山活動の強まりで地下岩盤がゆがんで細かい亀裂が生じると、強い電磁波が地上に放出されて磁石の針が揺れ動くこと。本誌取材班が笹子トンネル付近で計測した際、「西へ15度から20度」ほどの電子コンパスの狂いが確認できた。

この地下岩盤の異常変形は、笹子トンネル東側約1kmに平行して走る「扇山断層」の動きと関係がありそうだ。この活断層は標高1138mの扇山から笹子方面へくだる急斜面を横切り、極めて不安定な状態になっている。

昨年3月11日以来、笹子トンネルは何度も震度4強から5弱の強い地震に揺さぶられた。さらに、この地域は富士山噴火と相模湾の巨大地震の接近を告げる中小地震の群発域でもある。そのため、ここ2年間のうちに繰り返された無数の地震振動で、扇山断層が谷側へズレて笹子トンネルをゆがませたのではないか。そうなると、数百枚のコンクリート板を一気に落下させた原動力は、地殻変動だったという推理も成り立つ。

もうひとつ、笹子トンネルと新笹子トンネルの下に掘られた国道20号「新笹子隧道」の内部でも発見があった。この新笹子隧道が笹子トンネルと重なる約200m範囲の壁面と天井では、漏水量が一気に増えるのだ。

笹子トンネルでも夏頃から異常出水が目立っていたというが、この水も天井コンクリートの劣化を早めたのではないか。なぜなら笹子トンネル付近には世界でも例のない強アルカリ性の鉱泉がいくつもあり、北側には火山成分の白い結晶が地表に浮き出す現象から名づけられた甲州市「塩山(えんざん)」地域がある。この地域の特殊な地下水も、短期間で骨材がボロボロに分解して構造物を劣化させる「アルカリ骨材反応」によるコンクリートの劣化を早めたのかもしれない。

防災建築工学の専門家・三舩康道氏(工学博士、一級建築士)は、こう推測する。

「笹子トンネル工事では、扇山断層が激しく動いた際に地中岩盤が粉々に砕けたと思われる大規模な破砕帯にぶつかり、そこを流れる高圧地下水の大噴出に苦労させられたそうです。今回、崩落前に笹子トンネル内部で観察されたという大量出水も、断層のズレでトンネルに接した破砕帯の水圧が急激に高まったことが原因とも考えられます。従って、今回の事件をコンクリートの劣化や手抜き工事のツケ回しだけで一件落着させるのは大きな間違いです。地震・火山大国の日本では、老朽化しつつある他地域のトンネル内部でも同じような破壊が起きかねないことを頭に入れて、徹底的な調査を進めるべきでしょう」

今回の恐るべき事故の真相がトンネルの深い闇の中に葬り去られないように、われわれは監視を続けていく必要がある。


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