週プレNEWS TOP 連載コラム 逆に教えて!! 加藤嘉一「中東の安定のカギを握るのが、アメリカのリーダーシップということは今も変わりません」

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加藤嘉一「中東の安定のカギを握るのが、アメリカのリーダーシップということは今も変わりません」

[2013年02月04日]

日本ではそれほど大きく報じられないアラブ・中東情勢ですが、アメリカでは常に人々の関心を集めています。なかでも、ポイントはパレスチナ問題でしょう。

1月22日、イスラエルで総選挙が行なわれました。イスラエルは1948年に独立したユダヤ人国家で、ガザ地区の問題をはじめ、パレスチナとの地域紛争が絶えません。

紛争や戦争が起こりやすい地域には「宗教」「民族」「エネルギー」のいずれかの要素が絡んでいることが多いですが、アラブ・中東は不幸にも3条件がすべてそろっている。地政学的にも重要な位置にあり、大国政治が各陣営に便乗しがちです。ゆえに情勢はなかなか安定せず、常に火種を抱えることになります。

ぼくがパレスチナを初めて身近に感じたのは、北京大学への留学が始まった頃。偶然にも寮の最初のルームメイトが、パレスチナ自治政府初代大統領のヤセル・アラファトの親戚だったのです。彼に出会ったことが、無知だったぼくをパレスチナという地域問題への考察に向かわせました。

そして昨年、アメリカに拠点を移して驚いたのが、アメリカ人のアラブ・中東問題への関心の高さです。イスラエルやパレスチナのみならず、シリア、リビア、エジプトなどの情勢が、連日のように大きくニュースで取り上げられる。尖閣問題がアメリカの国際益を脅かし続けたここ半年でさえ、日中関係よりも多くの紙面を埋め尽くしていました。

ユダヤ人が政治や経済に確かな影響力を持つアメリカは、昔から基本的には“親イスラエル”です。石油をめぐる世界戦略の要衝としても、中東はプライオリティが高い。イラク戦争のように、軍事介入などの強引な手法を選択することもあります。

しかし、近年アメリカの国力が相対的に低下しつつあるなか、中東での影響力も以前ほどではなくなってきた。軍の撤退も進んでいます。これからは以前と同じようにイスラエルを擁護することはできなくなるかもしれない。現に、イラン問題をめぐってアメリカとイスラエルは揉めている。オバマ大統領はアラブ国家への強硬姿勢を強めるイスラエルの外交に不満を示しています。

情勢は混迷を極め、パレスチナのハマスによるイスラエルへのテロ攻撃と、イスラエル軍によるパレスチナへの無差別爆撃の“悲劇の連鎖”は後を絶ちません。


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