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和歌山・毒カレー事件、ずさんなヒ素鑑定発覚で逆転無罪に?

[2013年03月22日]

裁判で証拠として採用されたヒ素鑑定データから、違う数値の出た元素のみをグラフ化。1〜7のサンプルすべてが異なっているのがわかる

新たな冤罪(えんざい)が生まれるのだろうか。1998年に4人の死者を出した和歌山毒カレー事件である。

最高裁は2009年5月、犯人とされる林眞須美被告(51歳)の上告を棄却し、死刑が確定した(現在は再審請求中)。が、ここにきて大ドンデン返しが?

2月28日、林死刑囚の弁護団が再審請求補充書を和歌山地裁に提出した。その一文を紹介する。

「証拠とされた鑑定のデータを専門家が分析した結果、(林死刑囚宅の)台所から見つかった保存容器内のヒ素と、カレーに混入する際に使ったとされる紙コップ内のヒ素は別物とわかった」

もしこの主張が本当なら、林死刑囚が自宅からヒ素を持ち出し、夏祭り用に用意されたカレーの鍋に投入、住民を無差別に殺そうとしたという検察の主張は崩れてしまう。そう、つまり林死刑囚に逆転無罪が言い渡される可能性が出てきたのだ。

当時、裁判所が検察の主張を認めたのは、兵庫県にある大型放射光施設「スプリング8」の鑑定結果を採用したからだった。

「スプリング8」はどんな微量の分子構造も分析できる最先端の施設で、その建設費はなんと1100億円! その分析結果が林死刑囚をヒ素混入の犯人と結論づけたのだから、裁判所が信じたのもムリはない。

だが、この分析はかなりずさんなものだった。「スプリング8」のデータを再鑑定した京都大学大学院の河合潤教授(材料工学専攻)が説明する。

「2年ほど前、林死刑囚の弁護団から、裁判で証拠採用されたヒ素の鑑定結果を解説してほしいとの依頼があったんです。そこで鑑定データを見ていると、おかしいぞと思う部分がけっこうあったので、昨年3月に批判的に解説したものを論文として発表しました」

すると昨年11月、「スプリング8」を使って鑑定した東京理科大学の中井泉教授がこの論文に大反論することに。


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