週プレNEWS TOP ニュース 社会 児童ポルノの単純所持禁止で“犯罪者”が続出する?

児童ポルノの単純所持禁止で“犯罪者”が続出する?

[2013年06月12日]

5月29日、自民・公明・日本維新の会の3党が児童ポルノ禁止法改正案を国会に提出した。そのポイントは、児童ポルノの「単純所持の禁止」が追加されたことだ。もし改正案が成立すれば、どのような事態が起こり得るのか。

例えば、「単純所持の禁止」を謳(うた)う以上、18歳未満のアイドルの水着グラビアが掲載されている写真を持っているだけでも逮捕される可能性も否定はできない。また、イヤなヤツを陥れようとしたら、そうした画像をカバンの中やノートパソコンに仕込んでおくだけで犯罪者に仕立てあげることができる。

いくらなんでも、そんなバカなことは起こらないと思うだろう。実際、今回の改正案には、注意事項として「本来の目的(性的搾取、性的虐待から児童を守る)を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならない」と書かれてある。つまり、法律上では前述したような例で逮捕されることはないのだ。

だが、児童ポルノの単純所持を禁止している国では、とんでもない理由で逮捕される事件が現実に起きている。例えば2003年、アメリカのテキサス州で入浴中のわが子の写真を撮影した母親が、フィルムを現像した写真店の通報で逮捕され、「児童の性的行為」に関与したとして起訴されている。

また、アメリカでは離婚裁判を有利に進めるために、妻が夫のノートパソコンに児童ポルノを仕込むという事件も起きている。イギリスでは結婚している女性を好きになってしまった男が、女性の夫を陥れるために、わざわざ留守宅に忍び込んで夫のパソコンに児童ポルノをダウンロード。結局、すぐに犯行がばれてしまい、男はお縄になるという珍事もあった。

こうしたなかで、最もヒドいのが2009年、スウェーデンでマンガ翻訳家のシモン・ルンドストローム氏が逮捕・起訴された事件だ。当時、ルンドストローム氏は離婚した元妻と、娘の親権をめぐって争っていた。その最中に元妻は裁判を有利に運ぶために「彼はペドフィリア(小児性愛者)である」と警察に通報したのだ。

通報を受けた警察は、ルンドストローム氏の自宅を家宅捜索。パソコンに保存されていたネットからダウンロードしたエロマンガの画像のうち「バストの大きさから判断した」51枚の画像が児童ポルノにあたるとされた。だが、これらは日本のマンガやアニメの情報収集をするために集めていたものであり、しかも児童ポルノと判断された画像は、すべて不要なため削除してゴミ箱に入れていたものだった。

一審・二審では有罪判決で罰金刑を命じられ、仕事もほとんど失ったルンドストローム氏だが、昨年、スウェーデン最高裁は「マンガは児童ポルノとは言えない」とし逆転無罪の判決を下した。彼は日本で行なわれようとしている改正に対して、率直な意見を述べる。

「単純所持の禁止が“性犯罪から児童を守る”ことに本当につながるのか疑問です。規制されてもマンガやアニメがアンダーグラウンドへ潜るだけで、実際の子供たちの性被害が減ることはないでしょう。(このような改正案を考える人は)想像力のない人間としか思えません」

欧米での事例が、そのまま日本でも起きるとはいえないかもしれない。しかし、今まさに児童ポルノの単純所持の禁止へと踏み出そうとしている日本にとって、無視できることではないはずだ。

(取材・文/昼間たかし)


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