地獄に落ち、這い上がったと思ったら、また突き落とされる。
「もう、入る会社すべてがブラック(苦笑)。その後、勤めた病院でも、『歯科医になった娘のために院内に歯科クリニックをつくる』という理事長の方針で整理解雇されましたから。でも、ここまで重なるんだから“自分は持ってる”と前向きに思えるようになったんです」
そんな彼女を後押ししたのが、32歳のときに取得した社労士の資格。
「この波瀾万丈な職業人生を自虐ネタにしながら、困っている人の助けになろう」と、社労士事務所を開設した。
“自虐ネタ”を生かした彼女の仕事ぶりは評判を呼び、社労士として独立に成功。24時間、電話相談を受けつける「労働者を守る会」も設立した。「目指すは“労働相談のコンビニ”」と話す彼女は、こう語る。
「クビにビクビクすることも、くよくよすることもありません。クビになった経験は人生の肥やしになりますから。“自虐ネタ”にするくらいが、ちょうどいいんです」
【解雇トラブルに遭ったときの駆け込み寺】
●日本労働組合総連合会(連合)
TEL 0120-154-052
労働組合のナショナルセンター。全国53の産業別労働組合が加盟し、あらゆる相談に応じてくれる
●全国労働組合総連合(全労連)
TEL 0120-378-060
全国どこからでも近くの労働相談センターにつながる。さまざまな労使トラブルに対応してくれる
●NPO法人労働相談センター
TEL 03-3604-1294
あらゆる労働相談に対応。全国のユニオンの中から最寄りのユニオンも紹介(平日9~17時、日曜12~17時)
(取材・文/興山英雄)