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古賀茂明「マンデラは、私が唯一尊敬する“政治家”です」

[2014年01月01日]

古賀茂明が南アフリカを改革した 〝人道〞と〝実利〞の大統領、 ネルソン・マンデラを悼む

2013年12月5日、南アフリカの“父”ことネルソン・マンデラ元大統領が、95歳という年齢で激動の人生に幕を下ろした。約23年前、官僚だった古賀茂明氏は、投獄から釈放された直後のマンデラ氏と出会う。

■圧巻だった「マンデラ帰還」の熱

アパルトヘイト(人種隔離政策)の撤廃、ノーベル平和賞受賞、南アフリカ初の黒人大統領就任―。

多くの偉業を成し遂げてきたネルソン・マンデラ元南アフリカ大統領。

南アフリカ国民が「暗闇を照らした太陽を失った」と嘆き悲しむように、私もまたマンデラ氏の死が惜しまれてならない。

というのも、私自身、若き官僚時代にマンデラ氏に直接会う機会に恵まれ、大きな衝撃を受けたからだ。そのとき感じ、学んだことは今でも私の人生の指針となっている。

私が初めてマンデラ氏と会ったのは、氏が27年間の獄中生活から解放された直後の1990年のことである。

当時、私はヨハネスブルクにある在南アフリカ日本総領事館に領事として赴任していたそんなときにマンデラ氏が釈放され、黒人解放組織のANC(アフリカ民族会議)の指導者として復帰することになったのだ。

ヨハネスブルク市内にソウェトという南アフリカ最大の黒人居住区がある。そのエリアにある巨大なサッカー場でマンデラ氏の歓迎集会があると聞きつけ、私も足を運んでみた。

当時のソウェトは白人居住区とはまったく異なり、開発から取り残され、道路も満足に整備されていない。サッカー場の周辺もバラックや空き地が広がっていた。その道なき道を、何千何万という黒人たちがサッカー場を目指して四方八方から押し寄せてくる。私が乗った車は、群衆の中に埋もれてしまうのではないかと思うほど、その光景はまさに圧巻だった。

サッカー場が歓喜に沸いたのは、マンデラ氏を乗せたヘリコプターがピッチ上に着陸したときだった。マンデラ氏が姿を見せると、数万人の黒人が一斉に足を踏み鳴らし、ダンスを始める。その振動は大地を揺るがし、スタジアムが壊れてしまうのではないかと思わせるほど強烈だった。そのシーンを眺めながら、私は「南アフリカは国民を束ねるカリスマ的リーダーを得た」と実感した。


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