東京都は人口1300万人、予算規模6兆円を超え、その経済規模はオーストラリア、スウェーデンなどの一国にも匹敵する自治体。経営のセンスも重要だ。

今回、実業界からは「連続起業家」の家入かずま氏が名乗りを上げた。

家入氏は、ホリエモンこと元ライブドア社長の堀江貴文氏とともに記者会見に臨み、出馬に至った経緯を次のように語った。

「昨年12月19日にツイッターで『1000RTで都知事選出馬』と書いたら30分で達成してしまって、後に引けなくなったんです(笑)。でも正直、興味はあった」

この際、ツイッター上ですぐに「全・力・応・援」と応じたのが10年来の親交がある堀江氏。ほかに、ロンドンブーツ1号2号の田村淳氏、脳科学者の茂木健一郎氏らも応援コメントを残している。

一見、インターネット上でのおふざけから派生した立候補のようにも思えるが、家入氏本人はマジメに、かつ選挙を面白くすることを考えて出馬したという。

自身が引きこもりだった経験から、家入氏が目指すのは「居場所がある街・東京」「遊べる街・東京」。そしてインターネットを使って政治をもっと身近にする「政治に参加したくなる街・東京」だ。

家入氏には、これまで全国6ヵ所にシェアハウスをつくり、居場所のない人たちがものづくりをする環境を整えてきた実績もある。

当初は300万円の供託金をクラウドファンディングで集めることも検討したが、最終的には堀江氏ら友人から「無担保で借りる」ことで出馬にこぎつけた。もちろん契約書は交わしたとのことだ。

家族は反対しなかったのかと聞くと、家入氏は苦笑した。

「選挙対策会議の後に家族対策会議をやったら、『もっと早く言え』と怒られました。最初は家族にも『ふざけて出るの?』と思われていましたが、深夜1時から朝方までマジメに自分のやりたいことを話したら、『わかった』と。今は選挙や政治が政治家のものになっている。インターネットを使って、政治や選挙を僕らの身近なものとして取り戻したい」

(取材/畠山理仁)

■家入かずま(35歳、無所属)本名:家入一真。会社役員。元ライブドア社長の堀江貴文氏、元NHKアナウンサーの堀潤氏らが支持を表明。都知事選は今回が初。