日本初の家庭用テレビゲーム機「テレビテニス」(エポック社)が登場したのは1975年のこと。いまや「一家に数台」が当たり前のゲーム機、その歴史はなんと40年にも及ぶ。

どのようにゲーム機は進化してきたのだろうか、元『ファミマガ』編集長の山本直人氏の解説とともに見ていこう。

1970年代:代表的ゲーム/テレビテニス(エポック社)、カラーテレビゲーム15(任天堂)米・アタリ社が世界初のアーケードゲームを開発、国内では任天堂やタイトーなどのゲームメーカーが頭角を現した70年代。山本氏いわく、「タイトーの前身は貿易会社。いち早く国内でピンボールなどのリースで成功したのが後の『スペースインベーダー』のヒットにつながりました」

1980年代:代表的ゲーム/ゲーム&ウォッチ(任天堂)、カセットビジョン(エポック社)、ファミリーコンピュータ(任天堂)、PCエンジン(NECホームエレクトロニクス)、メガドライブ(セガ)、ゲームボーイ(任天堂)などエポック社「カセットビジョン」はじめ、世界的大ヒット「ファミコン」登場など、“テレビゲームが家庭で遊ぶ娯楽”として浸透した80年代。一方でアーケードゲームも「セガの世界初の体感型ゲーム『ハングオン』大ヒットなど独自の進化を遂げ、ゲーム産業が急成長!」(山本氏)

1990年代:代表的ゲーム/スーパーファミコン(任天堂)、NEO-GEO(SNK)、プレイステーション(ソニー・コンピュータエンタテインメント)、セガサターン(セガ)、NINTENDO64(任天堂)、ドリームキャスト(セガ)など90年代前半はスーファミの『ドラクエIV』や『FFIII』が大ヒットとなるも、94年に発売される「プレイステーション」や「セガサターン」の登場でゲーム画面が3Dに進化。「プレステはゲーム層に女性客を取り入れ“持ってるとオシャレ”という印象を与えた」と、山本氏は当時を振り返る。

2000年代:代表的ゲーム/プレイステーション2(ソニー・コンピュータエンタテインメント)、Xbox(マイクロソフト)、プレイステーション3(ソニー・コンピュータエンタテインメント)、ニンテンドー3DS(任天堂)、Wii(任天堂)など00年代も次々とゲーム機は発売されたが、「当時のゲーム業界はソニー、任天堂、マイクロソフトといった3社競合という勢力図でした。しかし昨今はソーシャルゲームの急成長が目立ちます。そこにPS4やXbox Oneの発売と、まさに混沌たる情勢です」(山本氏)

こうした輝かしい歴史の裏で、『ファミマガ』誌面で紹介されたにもかかわらず未発売となった幻のゲーム機が2機種あるという。

「まず『ディスクファクス』。これは電話回線で通信してデータのやりとりをしてゲームが拡張できたりするもので、実際に発売された『ディスクシステム』前後から情報公開していましたが、家庭用としては発売されませんでした。

また、スーパーファミコンの下にCDドライブを接続する『スーパーファミコンCDROM』なんてのもあった。『参入メーカー五十数社+α』とまで具体化されていた。実はこの幻のゲーム機こそがプレイステーションの前身なんです。いったいナニが原因で未発売となったのか、それは後の各メーカーのゲーム機戦争の経緯から推して知るべし、ですかね」(山本氏)

2010年代、ゲーム機はどんな進化を見せてくれるのか?

(取材/河合桃子)

■週刊プレイボーイ9号「『ゲームセンターCX』10周年&映画公開記念 有野課長の十年戦争とゲーム40年史」より