軽の四駆、ジムニーが大雪の日に大活躍した映像が話題になっている(画像は「You Tube」より)

『関東大雪!ジムニーが牽引した車とは、samurai spirit「SUZUKI Jimny660cc」 』という動画が、今、大きな話題になっている。

※URL:http://www.youtube.com/watch?v=Ek5OebM4BC4

You Tubeにアップされ、すでに再生回数200万回を超えている30秒ほどのこの動画。2月中旬に関東一帯を襲った大雪で動けなくなった大型トラックを、スズキ・ジムニーが牽引している様子を撮影したものだ。

観た人なら分かると思うが、とにかく映像のインパクトがすごい。小さなジムニーが雪道でタイヤを空回りさせながらも、グイグイ引っ張っていくのは、荷台のコンテナにジムニーが10台くらい入りそうなほどにデカいトラック。まるで、特撮映画のようなアンバランスな映像に、一部では「本物か?」との疑惑も声も出ているほどだ。

ジムニーは、その名が「ジープ+ミニ」から由来しているように、ラダーフレームのオフロード四駆。とはいえ規格は軽自動車、排気量はもちろん660ccだ。はたして、こんなスゴい芸当ができるのか?

自動車評論家で元スズキ社員、日本ジムニークラブ会長の二階堂裕氏に聞いてみた。

「あんなのは非常に簡単なことですよ。ある程度の知識を持っている人なら、簡単にできます。クルマもノーマルではありませんが、改造というレベルではありません。タイヤをスタッドレスかオフロード用に替えてあるくらい。

ただ、後部のバンパーの中央にトレーラー・ヒッチメンバーという牽引具がついているんですよ。だから、あのジムニーの持ち主は、普段からトレーラーを引くとか、牽引することに慣れている人です。運転技術的には、特に難しいことはありません。雪道をスタートするときは、ゆっくり走るとスリップしちゃうので、ガーンといくとか、それくらいです」

このように、我々が知らなかっただけで、ジムニー乗りなら「あのくらい当然」というポテンシャルを持った車だったのだ。

二階堂氏によると、こうした雪道だけでなく、深さ35cmくらいの水中、斜面30°の崖、さらには歩道橋の上り下りもできるという。

1970年に初代が発売され、今でも現行モデルが発売されているジムニー。世界中で愛されているのも納得だ。

(取材/村上隆保)

■週刊プレイボーイ11号「ジムニーは雪道でも本当にスゴいのか?」より