美少女時代の面影はそのままに、大人の女性へと成長した吉野紗香。久々のメディア登場で、過去の自分を振り返る

浮き沈みの激しい芸能界で、今、3度目のブレイクの兆(きざ)しをみせているのが、女優・吉野紗香(よしの・さやか)、31歳だ。

90年代、野村佑香、栗山千明らとともにジュニアアイドル界のトップを走り、“チャイドル”ブームを巻き起こしたのが第1のブレイク。その後、少し成長した吉野は、美少女イメージから一転、ぶっちゃけキャラとしてバラエティ番組に引っ張りだこになる。この「毒舌キャラ」時代が第2のブレイク。

そして今年2月、テレビのバラエティ番組に、なんと4年ぶりに出演。『有吉反省会』(日本テレビ系列)で過去の自分を反省し、大きな話題となった。

久々に人前に現れた吉野は、美少女時代の面影はそのままに、美しい大人の女性へと成長。3年ぶりに出演した映画『ゼウスの法廷』がこの3月に公開され、同じく3年振りとなるグラビア撮影も『週刊プレイボーイ』で披露するなど、今、堰(せき)を切ったように元気な姿を各方面で見せつけている。

現在の吉野紗香を直撃。心境を聞いた。

***

――『週刊プレイボーイ15号』(3月31日発売)の袋とじで、巨匠・渡辺達生氏によるセクシーなグラビアを披露しています。グラビア撮影は3年ぶりだったそうですね。

吉野 とっても楽しかったです! スタッフが12~3歳の頃からお世話になった方ばかりで。一緒に昔を振り返りながら、今の自分を自然に出すことができたと思います。

――今回のオファーは、『有吉反省会』がきっかけだと聞きました。

吉野 ええ。あれをご覧になった編集さんが声をかけてくれたんです。

――あの放送は、すごく話題になりましたね。

吉野 でも、出演するにはけっこう勇気が必要だったんです。10代の頃、バラエティ番組で私の発言について、大勢の方から厳しい意見を頂いてしまって。それを反省するという内容で……。

――確かに昔の吉野さんは毒舌キャラと言われていました。

吉野 正直なところ、毒舌という意識はなかったんです。心に浮かんだことを友達と話すような感覚でつい口にしてしまったという感じで。あと、バラエティにはいろいろな役割があると思うんですが、その中で自分は毒っ気のあることを言う役割を求められているように思っていたので、それに応えていたというか。ただ、いま振り返れば、自分自身、精神的に幼なかったなとは思いますね。

――自分の姿は、自分が思うのと周囲とでは見え方が違いますしね。

吉野 ある番組で、番組から芸能界の裏話っていうお題があったんで、たまたま読んだ雑誌にこんなことが書いてあったという感じで話してしまったんです。そうしたら、オンエア前にそれがスポーツ紙に出て面白おかしく書かれてしまって……。テレビではピー音やモザイクが入る演出があったんですけど。 そこから私は毒舌だってイメージがついてしまったんです。

つかこうへいの舞台で、改めて女優の魅力に目覚める

――「毒舌」というよりは、うまく利用されちゃった感じ?

吉野 今ならブログとかがあるので説明できたかもしれませんけど、当時は何もないし……。それ以来、バラエティ出演がトラウマになってしまって、たとえ出演しても視聴者にどう思われるか気にしすぎて、余計に上手くしゃべれなくなっちゃったんです。

――そうしたことがあって、しばらくテレビから遠ざかっていたんですね。でも、4年ぶりのバラエティ出演は、かなり悩んだんじゃないですか?

吉野 はい。でも、番組のテーマが「反省」だったので、あの頃の自分と向き合い、皆さんの前で反省し、前へ進もうって思ったんです。一歩踏み出すきっかけを頂けたのはすごくありがたかったですね。

――そして今は女優として、舞台や映画を中心に活躍してます。

吉野 もともと女優として活動していたので、お芝居に専念したいと思って、つかこうへいさんの舞台(2003年『寝取られ宗介』)に出させて頂いたんです。毎日のお稽古(けいこ)はすごくキツいんですけど、大勢のスタッフやキャストと一緒に作り上げていくことが本当に楽しくて。

――そこで、改めて女優に目覚めた、と。

吉野 それに舞台って生だから、毎回お客さんの反応も違うし、雰囲気も違う。だから毎回、「次はもっといいものにしよう」って気持ちになる。そこから女優をやることが本当に楽しくなってきたんですよね。あと、舞台以外に映画でも同じように、大勢の方々と作り上げるおもしろさを感じました。

――12歳のときにデビューした吉野さんも、いつの間にかすっかり大人になってますね(笑)。

吉野 早いですよね。10代で仕事を始めて、トラウマで一度ダメになって。でも、20代に入って、演技をする楽しさを覚えた。今、30代に入って、こうしてバラエティもグラビアも、新しい気分で再スタートできている。人生って、ターニングポイントが本当にある気がします。これからは過去の自分の良かったところを上手に引き出して、女優、そして何よりも人として、自分をもっと磨いていきたいですね。

(撮影/渡辺達生)