なんとなく、いつも混雑していて通行料金の高いイメージがある首都高だが、どこまで走っても上限は930円(普通車)。はたして何km走れるのか?

今年で開通52年目を迎え、今なお進化する首都圏の大動脈、首都高速(通称:首都高)。東京五輪の2年前、1962年12月20日に京橋~芝浦間のわずか4.5kmでスタートし、いまや総延長300kmを超えるまでに成長している。

そして、今年度末には中央環状品川線が完成、湾岸線と東名・中央の各高速道路、そして埼玉線が相互に直結。さらに2016年には横浜環状北線が、2021年には同・北西線が完成予定で、横羽線・生麦から第三京浜の港北を通り東名・横浜青葉までが開通。そのとき首都高ネットワークは、ほぼ完成形となる。

2012年に料金圏別均一料金から距離別料金へと変更された通行料金は、この4月からの消費増税に伴い新料金となった。

ETC利用で距離6kmまでは普通車510円(大型車1030円、以下同)、6km超~12kmが610円(1230円)、12km超~18kmが720円(1440円)、18km超~24kmが820円(1650円)、そして24km超が930円(1850円)。現金利用の場合は、普通車930円、大型車1850円となっている(一部区間を除く)。

距離別とはいえ、湾岸線を走ったらあっという間に上限額の930円に達してしまうだけに、なんとなく走行距離に対して通行料が「高い」というイメージのある首都高だが、東京線、神奈川線、埼玉線の全てを通っても通行料金は930円。実は、首都高は長距離走行がオトクなのだ。

では、同じルートを通らずに一筆書きで走った場合、930円でどれだけ長い距離を走れるのだろうか?

そこで取材班が実際に検証。結果、最長ルートはスタートが埼玉線・さいたま見沼。5号池袋線・板橋から中央環状外回りを通って葛西へ。そして湾岸線を一気に本牧まで行った後、神奈川3号狩場線~神奈川1号横羽線を使って東京へUターン。そして都心環状内回りを回った後、3号渋谷線で大橋まで行き、中央環状新宿線~4号新宿線・高井戸でゴール

これで走行距離、なんと149.4km!

ちなみに同じ距離を東名高速で走ろうとすると、東京~清水間(147.8km)で3,940円もかかってしまうのだ。

そして何よりもこのルートなら、スカイツリー、お台場、羽田空港、京浜工業地帯、ベイブリッジ、みなとみらい、東京タワー、渋谷、新宿と、夜景のキレイな首都圏の名所を2時間ほどのドライブで巡ることができる。

夜中は道も空いているので、デートに最適。意外な首都高の楽しみ方だ。

(取材・文/植村祐介、鈴木ケンイチ、深澤誠人)

■週刊プレイボーイ17号「12ページ特集 開業から50年以上! 進化を続ける首都高速大解剖」より