相場よりも安く売られている商品を実店舗で購入し、それをネットで販売する。そんな「ネット転売」を副業にする人が増えている。

とはいえ、誰でも黒字収支にすることは可能なのか? 『アマゾン ヤフオク!転売で給料以外に月15万円稼ぐ!』(宝島社)の著者・中野一気(いつき)氏に聞いた。

「誰でもひとりで始められて、しかもリスクが低い。株のように、商品価値がゼロになることはありませんからね。高く売れる商品を安く仕入れるコツさえつかめれば、収益は上がりますよ」(中野氏)

そこでネット転売初心者のために、「アマゾン転売」で知っておかなければならない2つのポイントを解説しよう。

まず、基本中の基本「高く売れる商品を安く仕入れる」ためには、『Amashow(アマショー)』が強い味方になる。

このサイトで商品名やJANコード(バーコード)を検索すると、過去1年間のアマゾンでの価格相場や売り上げランキングの変動を確認できるのだ。ランキングのグラフが激しく上下動していれば「定期的に売れている」証拠。現在のアマゾンでの相場より安く購入できるなら、仕入れる価値ありだ。

ターゲットが決まったら、次は仕入れだ。高いお金を出して買ったにもかかわらず、売れなかったらどうしよう?という不安がつきまとうが、家電転売の達人・上野勇輔氏は「そう心配しなくてもいい」という。

「Amashowのランキングの動きがいいものは、遅かれ早かれちゃんと売れますよ。その点は心配無用です。仕入れる商品の判断基準は、最安値付近で競合する出品者が何人いるか注意しましょう。競合が多いほど売れるのに時間がかかり、在庫を抱えるストレスにつながります。初めのうちは、出品してから1ヵ月以内に売り切れるような仕入れを心がけ、商品をテンポよく回転させることを意識するといいでしょう」(上野氏)

アマゾンのカート機能に掲載されるにはどうしたらいい?

春の入学・進学シーズンに需要がグンと伸びる電子辞書など、季節モノはタイミングが合えば比較的高く売れるとのこと。さらに、数万円の高額商品、価値がよくわからない萌え系グッズ、はたまた女性モノのハンディトワレ(トイレ用携帯洗浄機)など、なかなか購入しづらい商品でも、「利益を出すための仕入れ」と勇気を出すことが儲(もう)けへの第一歩だ。

そしてもうひとつのポイントが、新品販売欄にある「カート」機能。これは、ひとつの商品に対して複数の出品者がいる場合、自分の商品が購入者に対して優先的に薦められる権利が発生するシステムだ。

これを取得できないと、人目につかず売れにくい。アマゾンはカートを出品者にどう割り振るかのアルゴリズムを公開していないが、上野氏の経験則によれば、カートを取るには「大口出品者登録」と「FBA(アマゾンからの自動発送サービス)登録」をしていると圧倒的に有利だという。

ただし、大口出品(月4900円+販売手数料)&FBA登録(送った商品の大きさにより料金が変動)は有料となるため、本腰を入れて「月50点以上の出品」を目標にする人にオススメ。マイペースでやりたい人は、売れるまでの時間と発送の手間がかかることを覚悟しよう。

上記の『Amashow』とカート機能がアマゾン転売の2大ポイント。まずは少量の転売から始めて、コツをつかんだら大口出品&FBA登録で勝負するのがオススメだ。

ヤフオク!転売のコツ、そして実践レポートを『週刊プレイボーイ17号』に掲載しているので、詳しくはそちらを読んで参考にしてほしい。

(取材/西山武志)