激しいサバイバルが見られるだろうと楽しみにしていたのに、ガッカリしたよ。

先日、3日間の日本代表候補合宿が行なわれた。5月12日のブラジルW杯メンバー23人発表前の最後の代表活動だ。

戦術の再確認、コンディションのチェックをするのはもちろん、各選手最後のアピールの場とすべく、僕は国内でプレーするベストメンバーを集めるものだと思っていた。

ところが、フタを開ければ、遠藤、今野をはじめ柿谷、山口、森重らの“常連”は招集を見送り。つまり、彼らのW杯メンバー入りは当確ということ。常識的に考えれば、最後の最後まで全選手を競争させるべきだと思うし、実際、彼らの中にはJリーグで絶不調の選手もいるのだけどね。ザッケローニ監督はその必要はないと判断したようだ。

それだけでも残念だったのに、ザッケローニ監督は、過去に招集歴があり、なおかつJリーグで好調の大久保、中村憲、佐藤寿らのベテランを選出しなかった。30代はひとりもいない。本番はもう2ヵ月後なのだから、ベテランも若手も関係なく、純粋に現時点での力や調子で選ぶべきだと思うんだけど、単純に年齢で区切ってしまったのだろうか。

その一方で、初招集のメンバーが7人もいた。みんな面白い選手で、メディアの注目も集めていたけど、現実的には3日間の合宿で“序列”を覆すアピールなんて至難のワザ。何より、これまでのザッケローニ監督の采配を見れば、公式戦で一度も招集、起用していない選手を、いきなりW杯に連れていくとは考えにくい。つまり、彼らのW杯メンバー入りの可能性はほぼゼロだ。

ザッケローニ監督自身が、合宿を行なう必要性を感じていたのか?

そもそも、これまで3年半もの間、メンバーを選考し、チームづくりを進めてきたのに、W杯直前のこの時期にわざわざ新しい選手を大量に呼んで、何を見極めるというのか。意図がわからない。僕に言わせれば、彼らは話題づくりに利用されただけ。せめて1試合でも公式戦を用意すべきだった。

さらに言えば、ザッケローニ監督自身が、合宿を行なう必要性を感じていたのかさえ疑問だ。前述したようにメンバー招集の基準がよくわからないことに加え、参加メンバー発表の会見を欠席したからだ。いくら“候補”とはいえ、代表監督がメンバー発表の席に出ないなんて聞いたことがない。海外に滞在していたわけでもないのに。日本のメディアや、その後ろにいるサッカーファンをバカにしているのかな。

ひょっとすると、ザッケローニ監督は数人の選手をリストアップしただけで、あとは日本サッカー協会の原博実専務理事兼技術委員長に、「適当にメンバーを見繕っておいて」「会見も出なくていいよね」と頼んだのではないか。まあ、実際にはあり得ないことだけど、そんな皮肉のひとつでも言いたくなってしまうよ。

ザッケローニ監督の頭の中では、もうW杯に連れていくメンバー23人はほぼ固まっている。長谷部、内田、吉田ら故障を抱える海外組の回復具合によっては流動的な部分もあるけど、サプライズ選出はないだろう。

それだけに、こんな中途半端な合宿をするくらいなら、大会直前のコンディション調整など、ほかのことに時間も予算も使うべきだったんじゃないかなと思ってしまうね。

(構成/渡辺達也)