スーパーに並ぶ「マルタイラーメン」。携行食として登山家にも人気

福岡県民のソウルフードで、棒状のストレート麺が特徴の「棒ラーメン」。それを手がける食品メーカーのマルタイには、根強いファンも多い。

そのマルタイが、今、揺れている。4月15日に発表した2014年3月期の業績見込みは、経常赤字が当初予想の4億5000万円から5億9200万円へと拡大。キビしい状況が明らかになった。

このニュースに、巷(ちまた)のマルタイファンは即座に反応。田園調布に住むセレブ妻のユキさんは……。

「福岡出身の私は、生まれついてのマルタイファン。子供にはインスタント食品を食べさせないのですが、私は深夜にこっそり食べてます(苦笑)。今回のニュースを聞き、買って応援したいけど、子供に見つかりそうで……」

棒ラーメンは、登山愛好家の間でも、携行食として人気だとか。山ガールのトモミさんが言う。

「かさばらない棒ラーメンは、登山用品店にも売っているくらい登山家の間でもメジャー。福岡の友達が帰省するときには箱買いしてもらって、登山仲間と分けてます。マルタイのニュースは本当にショック。『もっと買おう』って、仲間うちで話していますね」

ところで苦境の理由はなんだろう? フードジャーナリストのはんつ遠藤氏は、こう分析する。

「時代は生麺へと移っていて、乾麺の棒ラーメンがトレンドから外れているのがひとつ。もうひとつは、マルタイ内のカップ麺部門の売れ行き不振です。カップ麺業界は新商品が毎年700アイテムも発売される過当競争の市場。そこへの本格参入は、ハードルが高かったのでしょう」

復活への道のりは険しい?

「いえ、棒ラーメンはかさばらず、保存にも適していて、決して悪い商品ではありません! 例えば同封の粉末スープを若者に人気の『液状で脂分のあるタイプ』に変えてはどうでしょう? また不振とはいえ、マルタイには『長崎ちゃんぽん』という人気カップ麺があります。これを前面に立てつつ、月ごとに限定のカップ麺をリリースし、話題づくりをするという手もあると思います。ボク自身もマルタイのファンなので、頑張ってほしいです」(はんつ氏)

マルタイの新戦略に期待!

(取材・文/植村祐介)