4つのキーワードを基に専門店からラーメン店まで多種多様なパスタが登場!

いま、パスタが熱い! 数年前からのナポリタンの大ブームをきっかけに、ミートソース、カルボナーラなどの定番系からロメスパまで、新感覚のパスタが続々と登場している。フードジャーナリスト・はんつ遠藤氏に、進化を続ける日本のパスタについて聞いた。

***数年前、ナポリタンブームが到来し、ロメスパ(ファストフード感覚のパスタ専門店)が増えたことでパスタブームがやって来ました。イタリア料理としてでなくパスタに特化すれば、メニューを開発しやすくコアなニーズに応えられる。また、ほかの一品料理を作らないことで効率化も図れるし、人員が少なくて済むので、小さな店舗を出しやすい。それが現在のブームへとつながっているわけです。

「特化型」「ロメスパ」「生パスタ」などのキーワードがいまのブームを示しているわけですが、このブーム、なんといっても日本だからこそ。日本のパスタはアルデンテ(歯応えがある程度)にゆでますが、本場イタリアのパスタは実は軟らかい。誰かが日本人好みにゆでたのが、いつの間にか日本のスタンダードとして定着していったんです。そもそもナポリタンだって、日本発祥ですしね。

今後も日本国内で、パスタは進化していくはず。より個性的なメニューを作り、差別化を図ろうとするお店がたくさん増えてくることも十分予測されます。日本が誇るパスタ文化はもっと面白くなるはず。目が離せないですね。

はんつ氏が認めたパスタを紹介

■はんつ遠藤氏が認めたパスタをKeywordごとにご紹介!(*価格はすべて税込みです)

【Keyword 1】ワンメニュー特化型パスタ・ミートソース、カルボの専門店が激増中!ナポリタンの後を追うように、ミートソースやカルボナーラに特化した店が都内を中心に急増中。特にミートソースは、従来のひき肉ではなく、ブロック肉や魚介を使ったり、醤油で味つけしたりと斬新なメニューも登場。日本中のパスタ好きに日々衝撃を与えているのだ。

1.ミートソースも驚く衝撃のゴロゴロ肉!

●スペランツァ特製ミートソース 690円下町を代表するミートソース専門店による看板メニュー。粗挽きのゴロゴロ肉をたっぷりの野菜と煮込んだミートソースは常識を超えたおいしさ。ほかに魚介をミンチした、肉不使用(!)のミートソースもある。麺は生と乾麺、2タイプから選べるので、お好みでどうぞ!

■スペランツァ(戸越銀座)東京都品川区平塚2-16-13TEL03-3783-6757営/11:30~14:30 17:30~22:30(火~金)、12:00~15:30 17:30~22:30(土・日・祝)定休日/月

2.角切り肉を使った贅沢なミートソース

●ミートソースパスタ 820円(手前)●トマトミートソースパスタ 850円(奥)挽き肉を使わずに角切りの牛肉を使用。ちょっぴり贅沢なミートソースは、毎日食べにくる人がいるほどの人気。トマトミートソースも肉たっぷりでそちらもオススメ

■大人のミートソースM(神谷町)東京都港区虎ノ門3-19-7TEL03-3433-4531営/11:00~16:00 17:00~21:00(月~金)定休日/土・日・祝

焼きマヨで超濃厚な味わい

3.“焼きマヨ”と味わう超絶濃厚カルボナーラ

●焼きマヨカルボ(中/400g) 750円表面パリパリ&中モチモチの焼きスパを使った絶品カルボナーラ。焼きマヨと濃厚な味を心ゆくまで味わいたい

■カルボ(浅草)東京都台東区浅草3-42-6 大島ビル1FTEL03-5603-0203営/11:30~14:30 17:00~22:30(月~金)、11:30~22:30(土・日・祝)定休日/火

【Keyword 2】モチモチ系生パスタ・新世代パスタの食感はアルデンテからモチモチへ讃岐うどんや太麺のナポリタンの人気を受け、最近の麺料理はモチモチとした食感がトレンド。パスタ界でも従来のような乾麺ではなく、生パスタにこだわる店が急増。生パスタはゆでる時間が短縮できるため、店にとっても回転率のアップが期待できるのだ。

1.シャキシャキとモチモチのハーモニーがたまらない!

●ソーセージとたっぷり田舎野菜のトマトソース 900円ソーセージと3色パプリカ、ナス、シメジなどを煮込み、生パスタと和えた極上のトマトソースパスタ。野菜と生パスタという異なる食感の調和にうなること間違いなし!

■とまとクジラ(東日本橋)東京都中央区東日本橋3-9-15 よし田ビル2FTEL03-3663-6662営/11:30~15:00 17:30~23:00定休日/日

赤と白、2色で比較もアリ?

2.モチモチの生パスタと大胆ソースは自家製!

●天使のカルボナーラ 980円 *1日限定20食(手前)●太陽と海の恵みの生パスタ 1250円 *1日限定10食(奥)店内で作りたての生パスタと、その相性を考えて作られた甘めのソースが絶品。5種類のチーズを山盛りにしたり、1万匹のシラスを使ったりと大胆ながらバランスの取れた味

■生パスタバカの店 赤坂パストディオ(赤坂)東京都港区赤坂2-14-28 鳳月堂ビルB1FTEL03-3584-2505営/11:30~23:30(月~金) 11:30~22:30(土) 11:30~21:30(日・祝)ランチタイム11:30~17:00無休

【Keyword 3】がっつり系ロメスパ・おいしい・安い・多いの三拍子そろった究極の漢オトコ飯メシロメスパとは、ファストフード感覚で食べられるパスタ専門店のこと。ハイコスパなボリューム感と豊富なトッピングが若い男性に支持を受け目下大人気。「パンチョ」「キング」などのチェーン店を筆頭に激増中だ。パスタの多くは極太麺。モチモチの食感が食欲をそそる。

1.ブームに火をつけた赤と白のロメスパ

●白ナポ(大/600g) 750円(手前)●ナポベーコン(大/600g) 850円(奥)ロメスパブームの火つけ役ともいえるチェーン店の定番メニュー。白ナポはニンニク風味の塩焼きそば風。ナポベーコンはウインナー、タマネギ、ピーマンが入った昔懐かしの味。トッピングもぜひ

■スパゲッティのパンチョ渋谷店(渋谷)東京都渋谷区道玄坂2-6-2 B1FTEL03-5489-2522営/11:30~23:00無休

麺が見当たらないパスタ?

2.おなかいっぱいでも食べたくなる味

●醤油(キング/1000g)+フレッシュトマト+ハンバーグ+ソーセージ+しらすおろし+半熟卵 1710円(手前)●モダン(キング/1000g) 1020円(奥)「醤油」は、トマトと大葉のさっぱりした味わいが人気。おなかいっぱいでもまだまだ入りそう! モダン焼きの中身を極太パスタにした「モダン」は、マヨネーズとソースを絡めた甘辛い風味。ボリュームも満点だ

■スパゲッティ・キング(新橋)東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル1FTEL03-3591-0301営/10:30~21:30(月~金) 10:30~16:30(土)定休日/日・祝

3.毎日、ロメスパはいかがですか?

●バジコ(大/500g) 730円(手前)●カレナポ(大/500g) 680円(奥)「週に一度はロメスパ」を合い言葉に、飽きない味にこだわった店の2枚看板。カレースパイスを隠し味にした「カレナポ」、豚肉、小松菜を塩で炒めた「バジコ」。週一? 毎日でも!

■イタ飯PICCANTE(北千住)東京都足立区千住旭町35-18 1FTEL03-6806-1302営/11:00~15:00 17:00~24:00定休日/不定休

これからの時代、パスタはスイーツです!

【Keyword 4】 オリジナルミックス・中華系、ご当地系からスイーツまで百花繚乱のパスタ焼きそば風に炒めたパスタ、中華麺を使った中華系パスタ、さらにはご当地系パスタまで。今後、新たに定番化しそうなパスタメニューが続々と登場。またチョコレートと混ぜたスイーツパスタなど「創作系」を打ち出す店も増え、パスタはますます多様化しそうな予感大。

1.長崎のご当地パスタがついに東京進出!

●ちゃポリタン 646円長崎のご当地パスタ、ちゃんぽん麺のナポリタン=ちゃポリタンが東京で唯一食べられる。トマトのうま味と合体したモチモチのちゃんぽん麺は一度食べたら病みつき(平日は15時以降の提供。土・日・祝日は終日)

■リンガーハット大森店(大森)東京都大田区大森北1-3-8TEL03-5764-5027営/11:00~翌4:00定休日/無休

2.パスタの常識を覆す、驚きの“スイーツ”系!

●チョコレートDE生パスタ 1010円パンプキンクリームにチョコをかけた異色のスイーツ系パスタ。ビターシナモンをかけるとさらに新しい味に、14時以降の限定メニュー

■生パスタバカの店 赤坂パストディオ(赤坂)東京都港区赤坂2-14-28 鳳月堂ビルB1FTEL03-3584-2505営/11:30~23:30(月~金)11:30~22:30(土) 11:30~21:30(日・祝)ランチタイム11:30~17:00無休

パスタにはフォークより箸がお似合い?

3.なんと中華麺を使った異色のナポリタン?

●冷やしナポリタン 600円中華麺のツルッとした食感は、ナポリタンの概念を変えるおいしさ。初夏から秋口までの季節限定メニューだ

■らあめん北斗新橋店(新橋)東京都港区新橋3-21-11TEL03-3434-7005営/11:00~翌4:00(月~土) 11:00~23:00(日)定休日/無休

4.懐かしくて新しい? 郷愁の焼きそばパスタ

●焼きそば風スパゲティ 650円ソースの香りがたまらない! 豚肉とキャベツを炒めた新食感の焼きそば風パスタ。子供の頃のお祭りを思い出す、懐かしい一品だ

■洋食屋さん ローズガーデン(中野)東京都中野区中野5-62-9TEL03-3388-1260営/9:00~23:00定休日/日

■はんつ遠藤飲食店の取材軒数が7000軒を超えるフードジャーナリスト。近年は料理研究家として創作レシピを発表

(取材・文/大野智己 釣本知子 大久保和則 撮影/下條英悟 渡辺眞朗 宮川ヨシヒロ 中村 功)