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突然の“携帯キャリア締め付け”は、総務省のアップルつぶしだった?

[2014年07月14日]

6月末、日本のケータイ業界を震撼させる大きなニュースが飛び込んできた。

総務省による有識者会合「消費者保護ルールの見直し・充実に関するWG(ワーキンググループ)」の第7回会合で示された中間取りまとめ案に、「店頭でのケータイ・スマホ販売にもクーリングオフ導入を」「キャリアはSIMロック解除に応じることが適当」といった内容が盛り込まれたのだ。

契約から一定期間なら消費者が契約を解除できるクーリングオフが導入されると、「端末購入時に現金で○万円キャッシュバック(以下、CB)」という売り方が成り立たなくなる。加えて、SIMロックが解除されれば、キャリア乗り換えの際に端末を買い換える必要がなくなるので、現在の「月々の割引+2年縛り」という販売方法が困難になる。つまり、今のケータイ販売システムが根本から崩れるのだ。

大手キャリアを締め付けることで、ケータイやスマホ販売の歪(ゆが)んだ現状が正されると評価する向きがある一方、ほかの意図を指摘する声もある。前出の有識者会議のメンバーとも親交がある業界紙記者のB氏が語る。

「ズバリ、アップルの影響力を抑制することです。表面的には、今回の件はキャリアと消費者との問題に感じられます。ところが、携帯通信サービスがここまでの巨大産業に成長した今、その市場の動向は国家の産業構造をも左右しかねない問題なんです」

確かにケータイ業界は、上位3社で営業利益2兆円超という、自動車メーカーにも匹敵する規模の事業に成長している。またケータイやスマホの端末製造、販売といった分野も含めると、その規模はさらに大きくなる。

「CB販売は、もう何年も前からありました。それがなぜここまで過熱して、総務省が問題視するまでになったのか。そもそもの原因は、ドコモ、au、ソフトバンクの3社がそろってiPhone5/5Cを取り扱い始めたことにあります」(B氏)

昨年秋以降、各キャリアともiPhoneをスマホ販売の主力に位置づけた。その結果、スマホ販売全体に占めるAndroidのシェアは下がり、iPhoneの存在感は大きく増すことになった。

「もちろん、アップルはこの状況に高笑い。一方の3キャリアはアップルの高い販売ノルマを消化するのに精いっぱいというのは公然の秘密。3社横並びでやっている『実質0円』も、アップルがiPhoneを取り扱わせる条件にしているのではという噂もあるくらいです。その上でこの春には4万や5万円ものCBをつけたわけです。キャリアはiPhoneを売っても儲(もう)からないんですよ。でも他社からユーザーを奪うには、この販売方法を続けるしかない、そんな状況に追い込まれている。

iPhone快進撃の裏で、販売不振になった国産メーカーはスマホ生産から次々に撤退し、iPhoneの液晶パネルやカメラといったパーツをアップルに供給する下請け会社になってしまっている。つまり今の日本のスマホ関連産業は、アップルに“アゴで使われている”と言っても過言ではないのです」(B氏)


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