体臭の強い人は、スティックとスプレーのダブル使いがオススメ! その際は無臭性のものをチョイスしよう

通勤に外回り、ちょっと外に出ただけで汗びっしょりの今日この頃。そんなとき、やっぱり気になるのが「ニオイ」の問題だ。自分のニオイはOKなのか、NGなのか? 本人にはわからないだけに不安になって、何回もチェックしたりデオドラント剤を使いすぎたり……。

そこで今回は、体臭のプロである五味クリニックの五味常明(ごみ・つねあき)先生に、意外と知らないデオドラント剤の正しい選び方、効果的な使い方についてうかがった。

■デオドラント剤は体臭の強さにあったものを

日本人はニオイにデリケートなので、必要以上に自分の体臭を気にしがちです。でも実は日本人でワキガ体質の人は10~15%程度。まずは自分がワキガ体質かどうかを判定して、体臭の強さにあったデオドラント剤を選びましょう。

ワキガ体質の簡単なチェック方法は、「綿棒で耳アカをとったときにどれくらい湿っているか」で判断できます。

●キャラメル状の耳アカがつく ⇒ 比較的、強い体臭殺菌作用の強いロールオンやスティックなどの直塗りタイプを。ワキガの発生源であるアクポリン腺の多い中心部にロールオンを塗り、スプレーを全体にシュッとふきかける……と2種類の組み合わせも効果的です。

●綿棒が少し湿った状態になる ⇒ 軽度から中程度ワキの汗をおさえる清涼感のあるスプレーで十分です。

●耳アカがかわいている ⇒ ワキガ体質ではない消臭作用のあるボディシートなどで汗をぬぐうだけでもOK。

体臭の強さにあったものを選ぼう。(左から)「バイオコア デオドラントスティック 無香性」(GATSBY)、「Ag+ メンズデオドラントスプレー」(資生堂)、「デ・オウ リフレッシュシート」(ロート製薬)*すべてオープン価格

 

■全身にデオドラント剤を使うのはNG

デオドラント剤を使っていいのはワキ、足の2ヵ所だけ。デオドラント剤には、汗をおさえるために汗腺の穴をふさぐ成分(収れん剤)が入っているため、全身に使うと体温調節ができずに熱中症になる恐れがあります

また、塗りなおしは1日2回までを目安にしてください。本当は3日に1日程度は使用を休んだほうがよいですが、この季節にはそうもいかないでしょうから、帰宅したらすぐにふきとりましょう。

また、デオドラント剤は汗をかく前、あるいは絞ったぬれタオルやウェットシートなどで汗をふいてから使うこと。そうすることで、ニオイの原因となる雑菌を取り除くことができます。

デオドラント剤を使う前に、ウェットシートなどで汗をふきとるのが大切!

衣類で消臭する新発想のデオドラントとは?

■衣類でニオイをブロックする新しい消臭法

最近注目の新しい発想のデオドラント法もあります。それは、直接肌につけずに衣類にスプレーすることで、カラダから発生したニオイ分子をブロックする方法。そもそも、自らの体臭は自分では臭くないはずで、そのニオイが人に伝わって不快感をもたれるのが怖い。衣類の消臭剤はこの点に着目し、ニオイが服の外にもれなければいい…という発想で生まれました。これなら、ワキだけでなく衣服全体にスプレーしても問題ありません。

また、衣類そのものに消臭機能や汗を蒸発させる機能をもたせたインナー、吸湿速乾性の繊維を使ったインナーなどもうまく使うといいですね。そういう機能のないものなら、衣類に消臭機能をもたせる洗剤を使ってもよいでしょう。

(左)衣類にスプレーするだけで体臭をシャットアウト。(右)「デオラボ イオンクリア」(ハーパー ベンソン)1,500円+税、「デオインナー 防臭下着スプレー」(小林製薬)400円+税

 

■汗をすぐにふけば、ニオイを予防できる

実は暑さや運動などでかいた汗そのものにはニオイがありません。でも、その汗を放置すると1時間ほどして皮膚の常在菌が繁殖、不快なニオイの元に。そこで、汗をかいたら絞ったぬれタオルやウェットシートなどで汗をふくことが大切です。

また、デオドラント剤がないときは、だ液をワキにぬるのも非常に効果があります。だ液は強い消臭作用をもった天然の消臭剤。キレイなだ液をワキにぬって10分程度そのままにし、ぬれタオルなどでふき取るだけ。応急処置として試してみてください。

自分に合ったデオドラント法を上手に活用し、ニオイにとらわれないさわやかな夏を過ごしたいものですね。

(撮影/五十嵐和博)

●五味常明(ごみ・つねあき)五味クリニック院長、医学博士。1949年、長野県生まれ。一ツ橋大学商学部、昭和大学医学部卒業。昭和大学形成外科等で形成外科学、および多摩病院精神科等で精神医学を専攻。患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる「心療外科」を新しい医学分野として提唱。ワキガ・体臭・多汗治療の現場で実践する【http://www.gomiclinic.com/】