平地に突如現れるシガイの森はそれだけでも不思議な幻想世界のような光景だ

やってきました、「怪談の夏」! 酷暑が厳しさを増す中、前回の東日本編では背筋も凍ってヒンヤリしたという声も多数寄せられた。有名すぎる伝説の場所から知る人ぞ知る穴場まで、新旧有名スポットを厳選紹介。西日本編も、怪談サークル会長&オカルト探訪マガジン編集長の吉田悠軌氏による監修付きだ!

■滋賀 シガイの森近江八幡市安土町常楽寺その昔、織田信長が処刑場として使っていたとされる場所。"シガイの森の木を切ると呪われる" という言い伝えがあり、実際に木を切ろうとした作業員が原因不明の奇病に次々と侵され死亡するという事件があったとか! 「田畑の真ん中にポツンと森がある風景が印象的。中に入ると二度と戻ってこられないかもしれませんよ……」(吉田さん)

■京都 深泥池(みどろがいけ) 京都市北区上賀茂深泥池町太古の動植物が今も生息することで有名な池。実はここが「池の脇で女性を乗せると、いつの間にか姿が消えていて、車のシートが水浸しになっていた」という"タクシー怪談" の発祥の地だといわれている。この怪現象があまりにも頻繁(ひんぱん)に起こったため、新聞にまで掲載されたとか!「周囲は住宅街ですが、遊歩道の奥に入ればうっそうとした林と沼が瘴気(しょうき)を漂わせています」(吉田さん)

深泥池

■兵庫 夫婦(めおと)岩 西宮市鷲林寺県道大沢西宮線の中央を占拠する巨大な岩。大きな岩がふたつ寄り添うように並んでいることからこの名前がついたそう。「この岩を撤去しようとすると祟りがある」「岩の裂け目から女の首が見える」「夜中0時にこの岩へ行くと、首から上が牛で体が女の"牛女" に遭遇(そうぐう)する」など、さまざまな怪談が語られている。ちなみに、岩の真ん中に裂け目があるその見た目から「マ○コ岩」とも呼ばれる……。

夫婦岩

■関西某所 山の牧場『新耳袋 現代百物語 第四夜』「山の牧場」のモデルになったといわれる牧場の廃墟。「この牧場を訪れた者が行方不明になった」「2階建てなのに階段がない小屋がある」「UFOの基地だったらしい」などさまざまな噂が飛び交う謎に包まれた牧場だ。

山の牧場

史上最悪の猟奇事件現場で「八つ墓村」のモデル

■島根 畳ヶ浦(たたみがうら) 浜田市国分町海の波によって削られてできた洞窟。亡くなった人の供養のために積まれた石があり、「夜には赤子の泣き声が響く」とか。海流の関係で水死体が流れ着くため、その怨念が渦巻き、心霊写真が撮れたという話や幽霊目撃談が後を絶たないそう。「岩が連なる奇景と洞窟内の社殿がなんとも不気味なスポットです」(吉田さん)

畳ヶ浦

■岡山 K集落 津山市昭和13年に起きた日本犯罪史上最悪の事件「津山30人殺し」の現場。集落に住む11世帯の人々がこの地で殺害された。事件後、人魂や幽霊が頻繁に出るという噂が流れ、"呪われた村"と呼ばれるように……。『八つ墓村』のモデルにもなったともいわれている集落でもある。

K集落

■広島 大久野島(おおくのじま) 竹原市忠海町人気のリゾート地であり、何百羽ものウサギが生息する"ウサギの楽園"としても有名。しかし、過去に旧日本軍毒ガス製造施設があった"大苦(おおく)の島"という裏の顔を持つ。今も砲台跡などの巨大な軍事遺跡が残されている。そんな負の歴史の影響からか「心霊写真が撮影できる」「多数の人が同時に白い霊らしきものを目撃した」という体験談が多く聞かれる。

大久野島

“ユタの三大修行場”に謎の記号

■高知 足摺(あしずり)岬 土佐清水市足摺岬"自殺の名所"として有名。顔が血だらけの男性や白い服を着た女性の霊を見たという目撃情報が多い。「高知最恐のスポットです。ほぼ自殺行為とも思える"補陀落渡海"(ふだらくとかい・入り口に釘が打ちつけられた舟で海に出る)の修行場としても有名ですね」(吉田さん)。その修行で命を落とす人も少なくなかったとか。付近のホテルでも幽霊の目撃談が多い。

足摺岬

■鹿児島 開聞(かいもん)トンネル 指宿市開聞川尻鹿児島の名峰・開聞岳。この周囲にある遊歩道の近くにあるトンネル。「天井が吹き抜けになっている部分もある奇妙な形状のトンネルです。通過するだけで異空間気分を味わえますよ」(吉田さん)。天井から下をのぞく女の霊が目撃されており、その女の顔を見ると、帰り道で事故に遭ってしまうらしい……。

開聞トンネル

■沖縄 SSS(スリーエス) 恩納村冨着沖縄の"ユタの三大修行場" のひとつといわれる場所。付近のガードレールに「SSS」という謎の記号が刻まれていたことから、こう呼ばれるようになったとか。ここを訪れると、「霊に触れられた部分が痺(しび)れて治らない」「幻覚を見るようになる」「頭痛、吐き気をもよおす」など、体に異変が起こるケースが多いという。

SSS(スリーエス)

(取材/ショートカット 写真提供/吉田悠軌)