妊娠・出産と同じく、男には決して体験できない女性の神秘が生理だ。人によっては、その痛みで日常生活に支障をきたすほどというが、一体どのくらいツラいのか?

あらためて男もその苦しみがわかれば、女性から信頼されるかもしれない! というわけで、そもそも生理とはなぜあるのか……イチから教えてくれたのは 『マンガでわかる 男が知るべき女のカラダ』(サイエンス・アイ新書)などの著者で産婦人科医の河野美香(かわのみか)先生だ。

「生理とは、子宮内膜が、血液や分泌液などとともに膣(ちつ)から排出されることです。そもそも、卵巣で作られた卵子が出てくるのが排卵。子宮内膜は受精卵(精子と卵子が結合したもの)を発育させるのに必要な栄養分を提供する組織です。排卵して精子と結合しなかった場合は、子宮内膜はいったん不要となるので排出され、その後はまた次の排卵のためにイチから始まり、それが繰り返されるというわけです」

排卵日と生理日はまったく別のことなんですよね。

「はい。排卵は、生理と生理のちょうど中間くらいのタイミングで行なわれます」

では、よく聞く生理痛ってどんな症状なんですか?

「主に下腹部の痛みや頭痛、吐き気、イライラなどです。痛みがまったくない人もいますが、7、8割の女性はなんらかの痛みや不快感を感じています」

そこで、具体的にどんな苦しい体験をしているのかを「生理痛がすごく重い」というふたりの女性に聞いてみた。

「私は、生理が始まる1週間前からほぼ毎日、頭痛と吐き気と眠気があり、下痢か便秘のどちらかになります。そして生理中は発熱と冷や汗と悪寒が加わります。さらに生理後も 『やっと終わった』っていう疲れを2日間くらい引きずっているんです。要するに、月の半分は体調が悪いんです!」(27歳・OL)

う~ん、これはツラい!

「私は、生理中の3日間は、下腹部の鈍痛と頭痛と吐き気で本当に立ち上がれないくらいグッタリします。先日、『珍しく今日は調子がいいな』と思って、うっかり外出したら体調が急変して、カフェで立ち上がれなくなり救急車で搬送されました」(28歳・IT)

救急搬送されるほどの痛み! なんと彼女、これまでに生理痛で救急搬送されたことが5回もあるという……。

生理の時に気遣う大人の男性はさすが

ここまで読んで、「オレも女のコのカラダのことをわかってなくて、これまでいやがることをしてきちゃったかもしれない……」と思った読者も多いのでは? そこで、女のコが「最悪!」と思った男たちの言動を集めてみた。

「生理中で体調が悪く、腹痛や冷や汗などが出ている私に『セックスできないなら口でして』とフェラを強要した元カレ。当時は20代で大好きだったから頑張ってフェラしたけど、今思うと最悪」(30歳・美容師)

「『生理中は中出しOKなんでしょ』『生理中は気持ちいいんでしょ』と言ってきた男がいた。アホかと思った」(28歳・事務)

やはり、生理のときの男の言動に不満は集中。一方で、こんな経験談もあった。

「以前、付き合っていた40代の男性が『今日って体調悪くない? 気分が悪くなったら言ってね』と、私の生理周期を覚えていて、さりげなく気を使ってくれて感動しました。生理中にセックスをしようとする男性も多いのに、さすが大人だなあと。若い男性にそこまで要求するのは無理だとは思いますが、せめて“彼女の体調を知ろうとする気持ち”くらいは持っていてほしい」(28歳・サービス業)

そう簡単に女性のカラダのことはわからないけど「そんなの知らねーよ」とか思わず、体調を少し気遣うだけでも女のコたちは喜んでくれるようだ。まずは、生理の大変さを理解する気持ちを持とう。

(取材/河合桃子 村上隆保)

■週刊プレイボーイ42号「子宮内膜症を乗り越えて、祝!あやや妊娠! 男も知っておくべき女性の病気」より