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加藤嘉一「アメリカはもう“世界の警察”ではない。オバマ大統領はそう宣言すべきです!」

[2014年11月03日]

東西冷戦の終結から約25年。国際情勢は多極化、複雑化の一途をたどっています。“唯一の超大国”が君臨する時代は、着実に終焉へと近づいているのでしょう。

アメリカにとって中東は地政学的に重要な地域で、国民の関心も非常に高い。特に最近は、自国民の犠牲者が出ていることもあり、イラクやシリア領内での空爆をはじめとする「イスラム国」関連のニュースが連日報じられています。

3大テレビネットワークのひとつであるNBCが10月中旬に行なった世論調査によれば、イスラム国の問題に関して「軍事行動をすべきでない」と答えた人はわずか15%。「空爆だけにとどめるべき」は35%。一方、「空爆に加えて地上軍の派遣も必要」と、さらに積極的な軍事行動をすべきだと考える人が実に41%もいたといいます。アメリカ国民は、まだまだアメリカ合衆国に“世界の警察”として君臨することを求めているのかもしれません。

ただ、ぼくがアメリカのある代議士とイスラム国の問題について議論した際、彼はこう言いました。

「近年、シリアの内戦では多くのシリア国民が亡くなっていた。オバマ政権はそれについて無視を決め込んでいたのに、アメリカ人が犠牲になった途端、空爆を始めた。これでは単なる票集めではないか」

11月4日に行なわれるアメリカの中間選挙では、民主党の苦戦が伝えられています。その状況を少しでも改善するため、オバマ政権の外交姿勢を“弱腰”だと批判する有権者へのアピールとして、イスラム国への空爆を決断したという面も確かに否定できないでしょう。アメリカが出ていくことでかえって情勢が複雑化するのではないか、ブッシュ政権のイラクでの失敗を忘れたのか、という批判も根強くあります。

ぼくがアメリカで政府関係者や知識人らと議論をするなかで考えることは、アメリカの“世界の警察”としての役目は、漸進(ぜんしん)的に、しかし確実に終焉(しゅうえん)に近づいているのではないか、ということです。

オバマ政権は、アメリカの同盟国を中心に、国際社会の支持を広く得てイスラム国に対抗するという基本方針をとっています。決して単独で対決するということはしない。実際、イスラム国への空爆にはイギリスやフランスなど多くの国が参加・協力しています。

国際的な連携を求めるアメリカにうまく接近しつつあるのがロシアです。ウクライナ情勢の影響で国際的に孤立感を強めていたロシアですが、イスラム国など中東の情報に関しては、チェチェン関連のルートやシリア・イランとの密接な関係など、アメリカにとって喉から手が出るほど欲しい独自のカードを保有している。この事情を熟知し、機を見て駆け引きを仕掛けるプーチン大統領の手腕は際立っています。


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