いよいよストーブリーグも花盛り! 皆さんの大好きな“野球政治”を日々、取材する現場の記者たちの間では例年以上に新旧監督のキナ臭い話題が大豊作…というわけで、マル秘ネタを洗いざらい語ってもらいましたっ! (文中敬称略)

■ポスト中畑はあの超大物監督?

デスク 日本ハムの栗山英樹監督も、CSの結果次第では電撃辞任があるんじゃないかとマスコミは警戒していたね。

記者A 表には出ていませんが、就任してからこれまでにも、少なくとも一、二度は辞任を申し出ているんです。よく言えば潔(いさぎよ)い性格、悪く言えばええカッコしい。日本ハムは金を使わない経営方針で、戦力的には今の順位が目いっぱいですから評価が高いうちに“勇退”したほうが後のため、という考えもあったのでは。

記者B その情報源はテレビ朝日周辺だね。栗山はもともと『報道ステーション』『熱闘甲子園』『ゲットスポーツ』などで解説、キャスターを務め、テレ朝の“スポーツの顔”だった。日本ハム監督就任で工藤が後任を務めたが、やはり栗山ほどの親しみやすさはなかった。その工藤がソフトバンクの監督になるということで、テレ朝側から「戻ってきては?」というラブコールもあったみたいだね。

デスク 日本ハムは監督候補が多いもんな。今季で引退した稲葉篤紀(あつのり)はもちろん、このオフに二軍打撃コーチから二軍監督に昇格した田中幸雄(ゆきお)も栗山監督が退任すれば満を持して登板するんじゃないの。

記者C ところが、稲葉は印象ほど球団の評価が高くないんです。意外に性格が激しくて球団幹部とも何度か衝突していましたし。もし球団がコントロールしやすい人物を選びたいなら稲葉の可能性は低いです。

DeNAの中畑清監督も実は崖っぷち

デスク DeNAの中畑清(なかはた・きよし)監督も、実は崖っぷち。明るいキャラでファンの人気は高い一方、選手から総スカン状態だよね。

 主な理由は、意味不明な選手起用や、ミスした選手を試合後に名指しで批判すること。スポーツ紙もストレートに書くことは“自粛”していますが、実際はかなり露骨です。複数の主力選手が陰では監督のことをボロクソに言ってます。

 決めつけるんだよ、あの人。今秋のドラフトで指名したある投手の試合を見に行ったときも、その投手がマウンドで前髪を触っているのを見て、「髪の毛を気にしてるようじゃダメ」と、マスコミへのリップサービスとはいえ“丸刈り命令”を下した。それを伝え聞いた本人は「たまたまなんですが」と困惑していたらしい(苦笑)。一事が万事、こんな調子だから。

 ただ、中畑監督のキャラで球団が親会社のイメージアップに貢献できたのも事実なんですよね。それで夏以降、フロントと親会社の中では「続投」か、「チームのステップアップのために新監督が必要」か、という2択で意見が割れた。結果的に続投となったことで選手のモチベーションはガタ落ちです。開幕後の成績によっては来季途中の休養もあり得るほど微妙な立場だと思います。

デスク これは昨年からいわれていることだけど、ポスト中畑候補の筆頭は、楽天の監督を辞めた星野仙一。昨年の楽天の日本一を花道に勇退し、今年1年間休んで、今オフにDeNA監督就任……というシナリオが、昨年の秋にはまことしやかにささやかれていたよね。DeNAの高田繁(しげる)GMは、明治大学で星野の1年先輩だったというつながりもある。

 ところが結局、昨年は勇退せず留任。そこからいろんな波紋が広がりましたね。

 とにかく、星野としては“デーブ”こと大久保博元(ひろもと)二軍監督だけには絶対に一軍監督の座を譲りたくなかった。DeNAでもまだ中畑人気が続いていたから、昨オフは「タイミングじゃなかった」というわけだ。ところが、今季途中に想定外の病気で長期休養を余儀なくされ、楽天の監督をこれ以上続けられなくなった、と。

フロントの内向きな思惑で来季も期待薄?

 今季、監督代行を務めた際も微妙な成績に終わったデーブが新監督になったのは、言うまでもなく三木谷浩史(みきたに・ひろし)オーナーの意向です。ただ、これは必ずしも巷(ちまた)でいわれるような「三木谷さんのお気に入りだから」という単純な理由だけじゃないらしい。デーブは世渡り上手で、芸能界から経済界まで広い人脈を持っていますが、その中の財界筋のタニマチが三木谷さんにプッシュしたそうです。言い換えれば、三木谷さんもその程度のコネで監督を決めているってことですが。

デスク いやまあ、ありがちなことだよ。中日、広島など地方球団はスポンサーになってくれる地元財界をいかに味方につけるかが大事だから。

 一方、星野としては球団のフロント職に残ろうが、退団しようが、来年はテレビなど表に出ながら健康回復に努め、現場復帰をもくろむという青写真でしょうね。

 日本シリーズでも試合前に突然、ベンチ裏に姿を現して記事になっていたけど、あれこそ「オレを忘れるな」というデモンストレーション以外の何物でもない(笑)。

デスク ヤクルトの真中満(まなか・みつる)新監督も43歳の大抜擢(ばってき)といわれたけど、実は本人は結構、野心家だよね。一般的には「宮本慎也までのつなぎ」とみる人が多いだろうけど、本人は長期政権を狙っている。

 ただ、このチームの根本的な問題は監督じゃありません。毎年のようにケガ人が続出する体質をなんとかしないと浮上はおぼつかない。

 まあヤクルトや、田辺徳雄(のりお)監督代行が正式に監督就任した西武あたりはフロントが扱いやすい人物を内部昇格させたパターンだね。それで成績が上がればいいんだけど。

 優勝うんぬんより、無難にチーム経営をやって少しでも赤字を減らしたいという“内向き球団”ですね。

デスク うーむ、なんとなく、すでに来季の順位も見えてきたような……。