「デート・コーチ」「ナンパの伝道師」などと称されるアメリカ人男性の女性蔑視ともとれる発言がネット上で拡散、世界中の女性たちからバッシングされ波紋を呼んだ。

問題の人物は、世界各地で「女性のナンパ方法」を指南するセミナーを主宰するジュリアン・ブランク氏(25歳)。日本でも先月15日~17日にセミナーが開催されるとの情報があり(結局、入国の事実も確認されないまま中止)、「白人男性なら日本人の女とヤるのは楽勝」「ピカチュウやポケモンといえばOK」などと豪語していたことから日本の女性も激昂する事態となった。

事前のオーストラリア講演で激しい抗議を受けた上、ビザ取り消しで出国となったのを皮切りに各国で抗議運動が盛り上がり、日本でも入国を阻止しようとする署名活動に発展。セミナー中止は、38000人分もの署名が集まり東京入国管理局に提出されたという背景も影響したのか、結局、署名賛同者は5万人超にも上ったという。

youtubeでは「女性の頭をつかんで股間に押し付ければいい」と力説している動画も公開されており、実際に街で声をかけた女性の頭をニヤニヤしながらつかんで自分の股間に近づける場面までUPされ、性暴力になりかねないとの批判も高まった。

この事件に対し、日本の女性たちはこう憤る。

「ありえない! 女性を下に見て、侮辱されている感じがして本当にムカつく! facebookで拡散されてきてこの事件を知り、私もすぐさま署名しました」(30代女性)

それに代表される憤慨の声は多いが、一方で、こんな意見も…。

「実際、外人ってカッコよく見えるし日本人の男より優しいですよね。私も前にクラブで外人に声かけられて、そのままホテルに行ってヤっちゃったことあるし…(笑)」(20代女性)

性暴力や女性蔑視は論外だが、外国人が日本でモテることは事実で、日本女性がそれを助長させ調子に乗らせているのは事実というわけである。

六本木の外国人男性たちの反応は?

そこで、日本にいる外国人男性はどう感じたのか。六本木にいる彼らにも話を聞いた。

「留学で日本に来ている僕たちもそういう目で見られてしまうと思うと、とても悲しいし心外だね。ただ、旅行で日本に来てクラブで誰かれ構わず声をかけているような外人がいたら要注意かも。ほとんどが日本人の軽い女のコ目当てだと思うよ」(イギリス人・留学生)

「僕たちの間で、こういう言葉があるんだ。『Even if you are “nobody” in your country, you can be “somebody” in Japan』(訳:自分の国では何者でもないあなたも、日本では“誰か”になれる) 要は、母国ではさえない男でも、日本に来ればモテるってこと。僕だってアメリカじゃダサい男扱いだけど、日本では女のコが寄ってくるし結構モテるんだ。だから毎日が楽しくて、もう国には帰りたくないよ。そう考えると日本の女のコたちにも問題あるのかもしれないね」(アメリカ人・会社員)

やはり、一部とはいえ、日本人女性の“そういう態度”がブランク氏のような“やりたい放題”という見方や実態を助長してしまっているのか……。

また、今回の事件では日本のナンパ師たちも少なからずしわ寄せを受けているようだ。とばっちりを恐れるのは、週プレでもお馴染みのナンパ師・尾谷幸憲氏。

「『ヤリチン専門学校 ~ゼロ年代のモテ技術~』の著者・尾谷としては、本当に厳しい時代がきたなと感じました。だから今、『五時に夢中』に出演しろって言われても出れないですね。矢面に立ちたくないんで(笑)。とりあえず、ほとぼりがさめるまではおとなしくしておきます」

週プレは、ブランク氏が所属する“ナンパ塾”「RSD」にも取材を試みたが、連絡先はすでに使われていない番号となっており、本人はおろか関係者にも話を聞くことができず。日本には入国できたのか、あるいはどこかに雲隠れしているかもわからぬまま…。

近年、インターネットの発達や女性のさらなる社会進出によってネット上でも署名活動など行動を起こしやすく拡散しやすい時代になった。ブランク氏への抗議行動は各国に波及し歯止めともなったが、一方で日本女性の“軽い”動向も世界で噂は伝わり、それ目当ての外国人男性を呼び込む。

今回の騒動、ただのバッシングで終わらせず、日本女性も自らの襟を正すいい機会と捉えていいのでは?

(取材/菅野光紗)