編集部が保有している1994発売の初代プレーショテーションは、今も現役で活躍中だ!

明日12月3日で、プレイステーションが発売されてからちょうど20年になる。これを記念し、プレステの公式サイト「PlayStation.com」内で、全国のプレステファン1万人以上(男女10代~60代)を対象に調査した歴代ソフト人気ランキングを発表。「一番好き」「感動した」「みんなでやると盛り上がる」などテーマ別に各種ランキングが掲載されており、ざっと見る限り、その結果はほぼ納得だ。

そんな中、40代を対象とした「歴代で1番好きなソフトランキング」がちょっとおかしい。

他の世代では、歴代で1番好きなソフトは「ファイナルファンタジー」や「ドラゴンクエスト」なのに、なぜか40代だけ「バイオハザード」が首位を独走しているのだ。

※表はPlayStation.comのランキングを参考に週プレNEWS編集部が作成

1万人が選ぶ「プレイステーション」歴代人気ソフトを発表!http://www.jp.playstation.com/cp/topics/2014120101.html

バイオハザードは非リア充の拠り所だった?

「バイオハザード」といえばサバイバルホラーゲームの代名詞で、グロテスクなゾンビがうようよ出てくるとっても刺激的な作品。なぜ40代のプレステファンは、ファンタジーや冒険の世界ではなく殺伐とした世界を舞台としたゲームを愛するのか。そもそも、同ゲームが発売されたのは18年前。40代の多くは当時すでに社会人だ。なにが悲しくて、社会人になってまで流血シーン溢(あふ)れるゾンビゲームにはまったのか、まったくもって謎だ。

ということで、40代の代表として90年代カルチャーに造詣が深く、ゲーム好きでもあるライター&編集者の速水健朗氏(「バイオハザード」シリーズは全てクリア済み)に理由を聞いてみた。

「90年代前半は、鈴木光司の『リング』(91年)や瀬名秀明の『パラサイト・イヴ』(95年)などバイオホラー小説が豊作だった時期。『バイオハザード』が受け入れられる地盤は十分にできていたんですよね。それで“ゾンビがうごめく世界で生き残りながら謎解きもする”という、今までにないゲームが出たわけですからヒットも不思議じゃないわけです」

なるほど。でも、だからって社会人がやる理由にはならないんじゃ……?

「あの時代、ネットが今ほど普及していなかったので『バイオハザード』は口コミで広がっているんですよね。操作性も複雑で謎解きの難易度も高いからハイブロウなゲーム。得体の知れない難解ホラーゲームに手を伸ばすのは、ある程度お金を持ったゲーム好き。社会人がプレイする構図があったのは自然なことなんですよ」

速水氏いわく「ホラー映画はひとりで観たいから、それはゲームも同じ。独身男性は暗い夜の部屋で孤独と恐怖と戦いながら『バイオハザード』にふけっていたんですよ」とのこと。非リア充の拠り所でもあったのか……哀愁漂う話だ。

とはいえ、そんな非リアたちから口コミで広がった同ゲームは、今やゲームをやらない人でも知っているビッグタイトルとなっている。シリーズは通算6100万本以上セールスを記録。来年にはPS4版の「バイオハザード HDリマスター」も出ることだし、今後もゾンビゲー界のドンとしてその威厳を見せつけてくれるはずだ!

20周年を迎えたプレステ。次の10年、20年で歴代ランキングにどう変動があるのだろうか。今後も清らかな心で正座して見守っていきたい。

(取材・文/週プレNEWS編集部)