大学時代に覚えて50年、麻雀の面白さを語る“世界の荒鷲”

麻雀を始めて半世紀! 「麻雀はボケ予防だよ」と高らかに笑う“世界の荒鷲”坂口征二が、レスラー仲間との豪快対局秘話を語る!!

***

麻雀を始めたのは明大柔道部の4年の頃だったな。東京オリンピックがあったから毎日練習に明け暮れててよ。オリンピックが終わってようやく自由な時間ができて、麻雀を同級生に教えてもらって雀荘に通うようになったんだよ。あれからもう50年になるけど、今でも好きだね。週に1、2回はご近所さん連中とやってるよ。

日本プロレス時代に麻雀が特に好きだったのは吉村(道明)さんとか(ジャイアント)馬場さんだよね。あの頃は巡業中、試合が終わって旅館で飯を食うと「ちょっと麻雀やるか?」みたいなノリになるんだよ。永源(遙)みたいな若い衆が、スーツケースに麻雀マットを丸めたのと麻雀牌を入れて全国持って回ってたから(笑)。

新日本の麻雀好きと言えば、武藤(敬司)と星野(勘太郎)だな。そこに(タイガー)服部とか倍賞(鉄夫・元取締役)さんが入ってきて4人で囲むという感じかな。若い頃の武藤が映画に出演したときには、映画会社から演技指導のスタッフが来て巡業に付き合ってよ。昼間は武藤に演技のイロハを教えてるんだけど、大の麻雀好きでね。夜になると結局麻雀だよ(笑)。

麻雀の面白さは、配牌(ハイパイ)に応じてどうやって上がり目をつくっていくかだよな。例えば七対子(チートイツ。14個の牌が同じ目で2枚ずつ7通り揃った上がり方)を狙ってて、1個だけアンコ(同じ目が3枚揃った状態)になっててよ。これをどう切って七対子を成立させるか……。もう少し勝負を引っ張ってみようかなとか考えてうまくいったときは面白いよ!

自宅の一部を改装して麻雀部屋をつくったよ(笑)

一緒に麻雀をやると相手の性格がわかるじゃない。取引先の銀行の幹部とかテレビ局のお偉方と一緒に囲んでると、なんとなく付き合い方がわかってくるんだよ。ああこの人は堅そうだなあとか、この人はちょっと話しやすそうだなあとか、そういう部分も役に立つね。

レスラーも麻雀に性格が出てくるよ。馬場さんはコツコツと慎重な麻雀をする人だった。武藤は……あいつはアッパラパーな性格じゃない(笑)。パンパンパンと行って勝つときは大勝ちするよな。勝つか負けるか、どっちかの打ち方をする。

俺は流れを見るほうだね。勝負するときはするけど、諦(あきら)めも早いっちゅうか。まあ配牌は時の運だし、麻雀って勝ち負けが全員に巡るものなんだよ。誰かひとりが一方的に勝つわけじゃない。だから実力が近い連中と打ってたほうが楽しいし、趣味としても長く続いていくんだよな。

自分が社長をやってた時代も麻雀の思い出はたくさんあるね。だんだん雀荘に行くのも飽きてきてさ、当時、自宅の一階が駐車場と倉庫だったんだよ。じゃあ倉庫の一部を改装して麻雀部屋にしちゃえということになって、照明を引いて雀卓を置いて、冷蔵庫も置いてよ。社員もレスラーも会社の帰りに俺の家に直行なんていう時代もあったよ(笑)。

でもそれも飽きちゃって、今度は六本木の新日オフィスの近くに社員寮を借りてね、そこの一室を麻雀部屋にしてたこともあったよな(笑)。

あの頃は徹マンも平気だったし結構俺も強かった。テレ朝の正月番組「朝まで麻雀スタジアム」に出演して、2回優勝したことがあるね。服部とふたりのチームで優勝して、賞金の100万円を山分けしたこととか、今でも忘れられないね!

かつては雀荘に飽きて、自宅の一部を麻雀部屋に改造してしまったという

■坂口征二(さかぐち・せいじ)1942年生まれ、福岡県久留米市出身。65年の全日本柔道選手権を制し、日本プロレスを経て73年に新日本移籍。89年に社長に就き90年代黄金期を築く。現在は相談役として新日本を支えている

■『燃えろ!新日本プロレス』vol.66(2014年4月24日号)に掲載http://weekly.shueisha.co.jp/moero/main.html

■『詳説 新日イズム 完全版』も絶賛発売中!http://wpb.shueisha.co.jp/2014/10/09/37069/

(取材・文/長谷川博一 撮影/平工幸雄)