1994年1・4のメインでは、前年に長州力に勝利した天龍源一郎がアントニオ猪木に挑戦した

“プロレスファンの初詣”新日本プロレスの1月4日東京ドーム大会が近づいてきた。2000年代中期の苦境を乗り越え、今や「新黄金期」といわれる新日本。90年代のようにドームを5万人の大観衆で埋める日も近い!? そこで、プロレス専門誌『ゴング』編集長の“GK”金沢克彦氏が、23年間の「1・4」の歴史を解説してくれた!

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新日本は1989年に東京ドームに初進出し、4回目の92年から1月4日の開催が恒例になっています。この年は長州力vs藤波辰爾をメインに、アントニオ猪木の特別出場、WCWの華やかな外国人勢も売りでした。

93年は前年末に抗争がスタートしたWARの総大将・天龍源一郎と長州力がいきなりの頂上決戦。さらに翌年は猪木vs天龍というあり得ないカードが実現。

95年にはUWFインターナショナルとの対抗戦が勃発し、10月9日のドーム大会は6万7000人という空前の大観衆を集め、96年の1・4では武藤敬司と高田延彦の再戦が行なわれました。派手な演出をしなくても純粋に対戦カードでお客さんが入る時代でしたね。

98年は長州の引退試合が目玉でしたが、メインは武藤vs佐々木健介。闘魂三銃士と健介が団体の核になっていました。

伝説の橋本vs小川・・・・・・そして“暗黒期”からの復活

1999年の1・4では、小川直也が橋本真也を事実上KO。ドーム大会史上最大のハプニングとして語り継がれている

そして、なんといっても1・4史上最大のハプニングといえば、99年。まず、新日本が最も嫌悪していた大仁田厚vs健介というまさかのマッチメイクがあり、さらに小川直也がプロレスの範疇(はんちゅう)を超えた攻撃で、橋本真也をボコボコにするという大事件が起きてドームが騒然となりました。新日本の強さの象徴だった橋本が事実上KOされたことは、時代の節目の象徴でした。

2000年はプロレス界の混乱期。選手が大量離脱した全日本が新日本との対抗戦に挑み、01年のメインでは前年10月に川田利明に敗れた健介がリベンジに成功。そして02年はノアとの対抗戦です。4日前の大晦日にミルコ・クロコップに敗れた永田裕志と秋山準が闘いましたが、ノアのGHCタイトル戦がメインという異例の大会でした。

この時代は橋本や武藤らが退団し、オーナーの猪木の意向で格闘技色に染められた“暗黒期”。05年には棚橋vs中邑の新世代対決が初めてメインを張りましたが、総合格闘技のバトルロイヤルという不可解な企画もあり迷走しまくっていた。しかし同年11月にユークスが新たなオーナーとなり、新日本は正統派のプロレスで勝負できるようになっていったわけです。

個人的に思い入れのある試合を挙げると、08年の永田vsカート・アングル。お互いに生涯のベストバウトと認め合う超名勝負です。それから、09年の三沢光晴の最後の新日本参戦となった三沢&杉浦貴vs中邑&後藤洋央紀(ひろおき)も挙げておきたいですね。

(写真/平工幸雄)

●来週は、新日本の現役トップ3(棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカ)が語る1・4激闘史を連続配信予定!

●週刊プレイボーイ50号「棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカが振り返る1・4激闘史」より

WRESTLE KINGDOM 9』2015年1月4日 東京ドーム 14:30開場 16:00開始予定【IWGPヘビー級選手権試合】 棚橋弘至(王者)vsオカダ・カズチカ(挑戦者)【IWGPインターコンチネンタル選手権試合】 中邑真輔(王者)vs飯伏幸太(挑戦者)【NEVER無差別級選手権試合】 石井智宏(王者)vs真壁刀義(挑戦者)【スペシャルシングルマッチ】 桜庭和志vs鈴木みのる ほか、全9~10試合予定詳細はコチラ【http://wrestlekingdom.jp/】