2012年1・4で凱旋すると、あっという間に新日本のトップに上り詰めたオカダ

これを観に行くまで年が明けない! “プロレスファンの初詣”新日本プロレスの1月4日東京ドーム大会が近づいてきた。

2000年代中期の苦境を乗り越え、今や「新黄金期」といわれる新日本。90年代のようにドームを5万人の大観衆で埋める日も近い!? 

そこで、人気を牽引する新日本のトップ3選手が、思い出の1・4を語った。最終回は“レインメーカー”オカダ・カズチカが登場!

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―オカダさんは1987年生まれだから、4歳の時に1・4が始まっていますね。

オカダ プロレスを真剣に観るようになったのは中学生の頃で、当時の新日本は格闘技路線を走っていたので好きじゃなかったですね。2002年の永田(裕志)vs秋山(準)なんかは覚えていますが。

―すると、ドームを特別なものとして意識するようになるのは、デビューした後から?

オカダ そうですね。(インディ団体の)闘龍門から新日本に移籍したのが07年で、1・4のドームに行って「あんなに花道が長くて、どんだけ緊張するんだろう!?」って思いました。初めてのドーム出場は09年の第ゼロ試合で、花道は歩かせてもらえなかった。翌年は第1試合で花道アリでしたが、緊張して全力で走るしかなかった。入場曲の音量がデカくて、お客さんの声なんて聞こえなかったし。

―その後、海外修行に出て12年1・4で凱旋(がいせん)マッチ。以降は全国の会場を沸かしてきました。

オカダ 今はドームでも緊張しない。楽しみでしかないです。大会場に慣れてきたら後楽園ホールと両国国技館はそんなに変わらない気がしてきたし、その感覚をドームにも持っていけたらいいんじゃないかな。最近は会場の席数も増えてきたので、今や両国では試合前の練習用スペースが足りないくらいです。もうすぐドームもそうなるでしょう、僕の活躍によって。

―海外修行時代の思い出の大会場はありますか?

オカダ メキシコにはアレナ・メヒコという1万6000人くらい入る会場がありますが、普段はガラガラ。ところが、エル・イホ・デル・サントやミスティコというスターが出場すると超満員になる。お客さんを呼べるスターを間近で観られたのはいい経験になりましたね。

2013年の1・4では、棚橋とのIWGPヘビー級選手権でメインを張った

秘密の新必殺技、その公開時期は?

―来年の1・4は、挑戦者としてIWGP王者・棚橋弘至とメインで闘いますね。

オカダ 10月の両国でも言いましたけど、「棚橋さんは“太陽の天才児”と呼ばれたけど、もう今は“くすんだ”太陽。僕のような新しい太陽が照らしますよ!」と確信していますから。ロン毛でチャラい棚橋さんじゃなく、背が高くてカッコよくて強いオカダを見てください!

―今後、イメージチェンジは考えてますか? 例えば、アントニオ猪木流の喧嘩(けんか)プロレスを見せてみるとか。

オカダ 頭突きとか張り手は観ていてわかりやすいし、会場が沸くのもわかる。否定はしないけど、そこに頼ったプロレスは好きじゃない。僕はプロレスの技で観客を転がすことができるので必要ないですね。

―必殺技レインメーカー(オリジナルの変形ラリアット)でトップに上り詰めましたが、これに代わる新兵器は?

オカダ 実はあります。というか、できちゃったんですよ! 投げ技なんですが。ただ、それは僕がレインメーカーを使えなくなったら公開しようかと。だから2025年くらいでいいんじゃないかな(笑)。それくらい今はレインメーカーを大事にしていますね。

(取材・文/長谷川博一 撮影/平工幸雄)

棚橋時代の幕を降ろすのは自分だと、まだ27歳ながら自信に満ちている“レインメーカー”

■オカダ・カズチカ1987年生まれ、愛知県出身。191㎝の長身から繰り出す芸術的なドロップキックと必殺技レインメーカーで新日本に「金の雨」を降らせている。2012年2月、棚橋を破りIWGP王者に。2012年度、13年度の「プロレス大賞」MVP。今夏の『G1クライマックス』における中邑真輔戦は、14年度のベストバウトに輝いた

●週刊プレイボーイ50号「棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカが振り返る1・4激闘史」より

●『WRESTLE KINGDOM 9』2015年1月4日 東京ドーム 14:30開場 16:00開始予定【IWGPヘビー級選手権試合】棚橋弘至(王者)vsオカダ・カズチカ(挑戦者)【IWGPインターコンチネンタル選手権試合】中邑真輔(王者)vs飯伏幸太(挑戦者)【NEVER無差別級選手権試合】石井智宏(王者)vs真壁刀義(挑戦者)【スペシャルシングルマッチ】桜庭和志vs鈴木みのる ほか、全9~10試合予定詳細はコチラ【http://wrestlekingdom.jp/】