一番最初にアマダイをGETしたのはまさかの……

海風で冷え込むこの季節でも週プレ釣り部は元気に活動! 今回は未経験者も交えて、狙うは「アマダイ」。網代港を出て、しばらくするとようやく日も差し始め、いざ釣り開始!!

***1投目、海底にオモリが着底して糸ふけを取ってると、なにやらモゾモゾのアタリを感じた。追い食いを待ったが、その後はなんの変化もない。…何かが触ったのか? 巻き上げる決心がつかない。せっかく深いところに仕掛けを届けたので、生半可なアタリでは上げにくいのだ。エサの付いたハリはふたつあるし、長い距離巻き上げたあげく、何も付いてなかったなんて悔しいというのが正直なところ。

左手に初島を望む熱海の海

重いオモリが底を叩いたのか、小魚がエサを突っついたのか、あるいは高級魚が触っただけなのか…見極めが難しい。しかし、この見極めは経験を積むしかない。そして臨機応変に、手返し良くエサを確認することが肝心だ。

仕掛けを上げようかどうしようか迷っていると、右舷艫の編集者がリールを巻いている。どーですかぁー! なんかきましたかぁー!と声をかける。

「なんか、ちょっと…変な……」

ああっ、巻き過ぎ巻き過ぎぃー、巻くの止めてー、などやきもきしながら横で見ていると、何やら仕掛けの先に赤いものが。まさかっ……。

初アマダイ、初釣りに歓喜!

あっ! アマダイだ! それ、アマダイですよ!

あー、やられたー! 第1投目で本命のアマダイを釣られてしまった! それも、聞けばなんと編集者は初めての船釣り。これはビギナーズラック! それでもおめでとうございます。鮮やかなパールピンクの貴婦人が編集者の手の中で暴れている。

そうこうしていると船中が騒がしくなった。ビギナーがスイッチを入れてくれたのだ。右舷ミヨシの常連さんにもアマダイが、左舷艫のK氏にもアマダイが上がりました。しかし、私には小魚ばかり…それを見かねてか船長さんが「それはアカボラって魚で、天ぷらが最高ですよ」と渋い顔の私を励ましてくれた。

外道かと思うほど釣れたアカボラは、聞けば天ぷらやカルパッチョなどで食べられるアマダイ釣りの抑え的存在だった

船は水深90mの場所へ移動。選び抜いたプリプリのオキアミに慎重にハリを通し投げ込むと、するする道糸が出て海底に着底した。

そこからは糸ふけをとり、オモリを底からハリスの半分の長さを切る。そしてもう一度同じ動きをしたら、今度はハリス半分の長さ分、竿を立ててゆっくり元に戻す。

エサがフワリと持ち上がり、ゆっくり落ちる(フォール)する、この時が最も魚に人の気配が気取られない瞬間なのだ。浅い水深の場合はリアクションで食わせる技もあると思うが、海の底での魚は、より自然な動きのエサを食べることになるのだろう。釣れた時の自分の動きを正確に再生できた時に連発して釣れることになる。

ツンツン、クックッ……アタリだ! 竿を立てると、グンッと竿先に加重が掛かる。よしっきた! よしっよしっ、乗ったぁー!

キモかわいい異色の魚も登場!

電動リールのスロットルを絞っていくと巻きが止まる! むっ、いい型かもっ。ゴンッゴンッ! アマダイ特有の首振りが手首に伝わる。ゴンッゴンッ! おぉー気持ちいいー、いい引きだっ! アマダイは最後まで抵抗するが、これがたまらないのだ。リーダーが入って、見えたっ。本命だ、でかい! キーパーに竿を戻し、テンビンを掴んだ、船べりに立ててある玉網を掴み、頭からランディング! 入った!

釣り場を変えてようやく良型のアマダイを釣り上げた!

やったー! 良型の本命アマダイGET! 船に上げた時、反対側にいた船長が網の中を見て「おっデカイなっ!」とにっこり。45センチの良型、アマダイは魚体が柔らかいので、両手で持つと胴体の中に指が埋もれる。なんともいえない心地よい重量感だ。

すると、今度は常連さんの竿が曲がっている。「多分、これは本命ですね!」と言ったが、様子を見ていると何かおかしい。途中で引きがなくなったのだ。

あっ? なんだこれ?

「なんだ、これ! 突然変異か?」と船上を騒然とさせた「アカグツ」

釣りあがったのは、いかにも深海魚のような不細工な魚。みんなが寄ってたかって「知らないなぁ、初めてだよ」と大興奮。珍魚登場で船中さらに沸き立った。

※この魚、「市場魚貝類図鑑 ぼうずコンニャク」で調べてみると、アンコウの仲間で「アカグツ」という魚だった。ちなみにこのサイトは釣り人視線、魚好き視線で表現され大変便利だ。・市場魚貝類図鑑 ぼうずコンニャク【http://www.zukan-bouz.com/】

日が昇るとともに風も止み、釣り日和に

(12月21日配信予定の第3回に続く)