今もUFOの目撃情報は絶えない。特に最近では、一般人が撮影したYouTube動画などからも数々の報告があがっている。
もちろん、眉唾(まゆつば)ものも少なくないが、そうした情報をつぶさに集め、分析しているのが元航空自衛隊空将の佐藤守氏。2010年夏には、自衛隊パイロットたちのUFO目撃証言を集めた『実録・自衛隊パイロットたちが接近遭遇したUFO』(講談社)を上梓、UFO研究の第一人者である。
何人もの自衛隊パイロットたちが実名で遭遇体験を告白する内容に衝撃を受けた本誌は当時、緊急インタビューを敢行。その後も人知れず独自にUFO情報を取材してきたという佐藤氏は、UFOが福島第一ほか原発周辺で多数目撃されていると指摘、「やはり、日本の上空にUFOはウヨウヨいます!」と断言した(http://wpb.shueisha.co.jp/2014/12/26/41148/)。
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―2010年の出版以降、自衛隊員のみならず、各方面からUFOの情報が集まってきたそうですね。
佐藤 ええ。例えば、YouTubeに投稿された、東京スカイツリーと低く垂れ込めた黒い雲を撮影した動画。ここに、撮影者も気がついていないであろうUFOが映っているとのタレコミがありました。全体で5分弱の映像ですが、4分10秒過ぎあたりから、カミソリのように細く光る飛行物体が複数機、時間差で映り込んでいます。
―(動画を見ながら)確かに光る物体が飛んでいますが、これは鳥ではないのですか?
佐藤 鳥はそれよりも前、3分20秒前後に映っている。ほら、ちゃんと羽ばたく翼が見えます。一方、UFOには翼がありませんし、飛び方も鳥と違って機械的な動きをしています。この動画が公開されたのは13年4月。つい最近の話です。
―かつては、UFO目撃情報の多くは「開発中の最新軍事兵器ではないか」などといわれることも多かったのですが、科学が発達した今も「未確認飛行物体」は変わらず出現し続けているわけですね。
佐藤 1966年にワシントンで開かれた米下院第89議会軍事委員会公聴会。空軍大将や国防長官も名前を連ねたものですが、ここでは、47年から65年の間に1万147件あった未確認飛行物体の目撃報告のうち、6%が「科学的に説明できないもの」と発表されています。
時代は移り変わりましたが、この6%というのは、プロであるわれわれパイロットからしても「さもありなん」と思える数字です。私が空自パイロットから聞いたUFO目撃談のなかには、2014年現在でも人類が持ち得ない技術を持っていたであろうものが多く含まれているのです。
戦闘機によるUFOの挙動再現は可能か?
―イスラム国への空爆に実戦投入された米空軍の「F-22」、日本も次期主力戦闘機として導入が決まっている多用途性を備えた「F-35」、ロシアの「T-50」、中国の「J-31」、それに日本で開発が進む初の国産ステルス機「ATD-X(心神)」など、現代ではいろいろなハイテク戦闘機が知られています。これらをもってしても、目撃されたようなUFOの動きや性能は再現できませんか?
佐藤 一部は可能です。例えば、人間が目視できるのにレーダーには映らないステルス性。「F-22」の正面からのレーダー有効反射断面積は、0.0001平方メートルと昆虫レベルの大きさです。最新のステルス戦闘機であれば再現可能といえるでしょう。
また、スピードについては、NASAが開発した無人試験機「X-43」が、04年11月に短時間ですがマッハ9以上を記録しました。かつて宮城県・松島基地で船附昇(ふなつきのぼる)元三佐が高度2万フィート(約6000m)を水平飛行しているときに見たUFOの速度は、マッハ8~10と推測されていますから、単純に最高速度という意味では、これも不可能ではありません。
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だが佐藤氏は「しかし、技術的にどうしても到達できない技術点がある」と話した。それは形状であり高々度でのホバリング技術であったりするという。
また「F-15J」パイロットの桧垣哲雄(ひがきてつお)元二佐が「ギブアップ。あんなのに攻められたら勝ち目はない」と言ったそうだ。現時点でもその歴然とした差は埋まっていないのだ。
最後に再び、佐藤氏が語る。
「総合的に考えると、やはり非常に高度な知的生命体が関わっているという結論が導かれるのです。我々にできることは、人知を超えた“彼ら”の存在から目をそらさずに認めること。皆さんも空を見上げてごらんなさい。UFOは今も、日本上空を自由に飛び交っているのです!」
(取材/松村バウ[中野エディット])