主に横浜スタジアムや神宮球場で、ビジター用ユニフォームを着込み、大声を出してカープを応援しているという内藤哲也

好評いただいた本連載コラムだが、ひとまず最終回。登場するのは、新日本プロレスが誇る“スターダスト・ジーニアス”内藤哲也。「赤ヘル軍団」への愛を語る!(*2013年末に『燃えろ!新日本プロレス』で取材したものを再掲載)

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僕は東京生まれで、最初は巨人ファンでした。でも、1995年に原辰徳さんが現役を引退して巨人ファンでいる理由を失って、その後はカープひと筋。

カープといえば「赤ヘル軍団」ですが、僕も子供の頃から赤が好きで。昔は赤といえば女のコの定番カラーで男は赤い洋服は着なかったけど、当時から僕は赤い小物とか持ってました。今のタイツの色も赤ですしね。

カープファンになってしばらくは、江藤智(あきら)さん、金本知憲(ともあき)さん、新井貴浩さんと、頼れる4番バッターが好きでしたね。みんな主砲になると他球団に移籍してしまいますが(笑)。

でも、だんだん野球を見る目が肥えてくると、小技の利いた選手とか緻密(ちみつ)なチームプレイが好きになっていきました。

今一番好きな選手は小窪哲也さん。メインはショートで、サードもセカンドもこなす巧い選手です。体は大きくないけど全身を使った全力プレイが感動的なんです。僕の個性に似ている気がするし、お手本のようにも感じていますね。

僕自身も小中学校時代は軟式野球のチームに入っていて、子供の頃は足も速かったしずっとショートで1番や3番を打ってたんですよ。

「長州さんに先を越されて悔しかったです」

今日はいろいろグッズを持ってきたんです。トレーニング用品を入れてるトートバッグ、広島市民球場と現在のマツダスタジアムのフィギュア。ちょっと珍しいデザインのキャップに「カープ坊や」の大判フラッグ。新日本の広島大会ではこのフラッグを背負って入場しました。

そして背番号4番、小窪選手のビジター用ユニフォームです。なぜビジター用かというと、主に観に行くのが横浜スタジアムと神宮球場だからです。もちろん、これを着込んで応援してます。昨シーズン(2013年)も15試合くらい観戦に行ったかな。

その中で勝った試合ですか? 1回だけです…僕の応援が足りなかったんですよ!(苦笑)。

カープ仲間と大勢で行くときは外野の応援席で大声を出してますよ。1~9番までのバッターの応援歌もしっかり予習して。小窪選手の応援はこんな感じです。マスコットバットを両手に持って叩きながら…♪コ・ク・ボ! 鋭く引っ張って、華麗に流し打ち、基本はセンター返し、それがコクボテツヤ~。

こんな風に歌いながら応援が2周目になると、広島名物「スクワット応援」が始まります。これはファンが交互に席を立ったり座ったりして、まるでスクワットするみたいに応援する方法です。ひとりの選手の打席が長いと、さすがに足が疲れますが(笑)。

2013年のカープは燃えましたね! 16年ぶりのAクラス(3位)ですから! そしてクライマックスシリーズは、もう気が気じゃなかったですね。ファイナルステージの巨人戦は第5戦のチケットを買ってましたが、3連敗で幻になっちゃいました。しかし、この悔しさを忘れないために払い戻しはしませんでした!

ファンとしての夢は、もちろん優勝シーンを目撃すること。最後のリーグ優勝は91年で、僕は記憶にないんです。それから、マツダスタジアムで始球式を務めること。長州力さんがレスラーでは初めて広島で始球式をやっちゃいました。先を越されて悔しかったですが、僕もぜひお願いしたいです!

■内藤哲也(ないとう・てつや)1982年生まれ。東京都出身。08年にIWGPジュニアタッグ王座、10年にIWGPタッグ王座を獲得。13年6月、ケガによる長期欠場から復帰し、8月の『G1クライマックス』で悲願の初優勝を遂げた

(取材・文/長谷川博一 撮影/平工幸雄)

■『燃えろ!新日本プロレス』vol.60(2014年1月30日号)に掲載http://weekly.shueisha.co.jp/moero/main.html

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