大人でもなく、子供でもない。万華鏡のように変わるその表情に、ピュアで無垢な16歳の“今”だけの顔が輝いていた

ドラマにCM、モデルとあらゆるシーンで注目を浴びる、広瀬ずす。今の活躍があるのは16歳の時の決意があったからだという。

■真っ白なキャンバスを思わせる存在感

純粋。透明。何にも染まっていない、真っ白なキャンバスーー。連続ドラマ『学校のカイダン』(日本テレビ系)の主演に大抜擢された広瀬すずが、今とてつもなくまぶしい。

「プレッシャーも期待も両方あります。それを感じる半面、主演と変に意識せず演じることができればいいな、とも思っているんです」

うれしい時は瞳が光を宿し、悲しい時はうるりと切ないまなざしになる。大人でもなく、子供でもない。16歳の女のコ特有の輝きが、映像の中で躍動する。ドラマのプロデューサーである福井雄太さんがこう話す。

「眼の表情だけで演技を成立できるのは、天性のもの。今回は、ド底辺の女のコが言葉の力を武器に階段を上っていくという、どこかジャンヌ・ダルクを思わせる役です。その演技をするなかで、ひとりの女優としても階段を上っていけるような人を探していた。すずさんに会った時、すごい人を見つけたと思いました」

その言葉を受けるように、彼女はこう語った。

「ついこの前、相手役の方の演技と化学反応が起きて、自分を全部持っていかれるような感覚を初めて味わったんです。演技の真の楽しさを知って、泣きそうになった」

広瀬すずの、女優という名の青春。僕らはその目撃者となるーー。続いては、独白インタビューで彼女の素顔に迫ってみた!

真剣に仕事に向かうきっかけは?

■16歳の誕生日に、真剣に仕事をしようと決めました

基本的に人見知りです。静岡ののどかな田舎で育ったから、しばらくは東京の人が怖かった。マネジャーさんとも、打ち解けるのに2年かかりました(笑)。最近、ようやく都会の生活に慣れて、ほぐれてきたなと自分でも思います。

一時期は、「広瀬アリスの妹」と言われることがいやな時期もあったんです。でも今はそのイメージを裏切っていきたいし、いい意味でライバルが近くにいるのは恵まれているなとも感じます。

もともとお姉ちゃんがスカウトされたのをきっかけに、この世界に入りました。全然興味がなかったけれど、断り切れなくて。真剣にミニバスケをやっていたから、芸能界の仕事で新人戦に出られなかった時は号泣してしまったんです。

でも16歳になった時に、今後は真剣に仕事をしようと決意しました。そうしたら専属モデルをやっている『セブンティーン』の表紙を飾れたし、ドラマの主演もやらせていただくことができたんです。

自分の性格は、負けず嫌いですね。でも女優として生きていくには必要なことだとも思います。今回のドラマのテーマは、言葉の力。強く願えば、想いはきっと人に届くと信じています。様々な感情や言葉を演技にのせて伝えられる女優になれたら、うれしいです。

広瀬すず(HIROSE SUZU)1998年6月19日生まれ、静岡県出身。身長158cm。2012年『Seventeen』のモデルになる。2013年、ドラマ『幽かな彼女』で女優デビュー。「ゼクシィ」「JR SKISKI」のCMでも強い印象を残す。映画『海街diary』は6月公開予定

(撮影/本田雄士)