旧型機は大型商品狙いのハイリスク・ハイリターン仕様に改造されることも多い。今にも落ちそうだが、落ちない。甘くはないぞ!旧型機は大型商品狙いのハイリスク・ハイリターン仕様に改造されることも多い。今にも落ちそうだが、落ちない。甘くはないぞ!

普通、一般の家庭にはないけど、「あれが家にあったら楽しいのになあ」と、時々思う業務用のスペシャルな製品。もし本気で買おうと思ったら、どうすればいいのか? 値段はいくらなのか?  メンテナンス方法は? 衝動的に買いたくなってしまった人のために調べてみました!

■クレーンゲームの世界を変えた名機

今年デビュー30周年の国民的人気アミューズメントマシンといえば、セガの「UFOキャッチャー(正式名称UFO CATCHER)」だ。

山積みの景品が取れそうで取れない、あのドキドキ感、何度失敗しても次こそは取れるはずと思ってしまう期待感。

それまでの単純なチェーン式のクレーンゲームからUFOキャッチャーを一気に人気者に押し上げた秘密は、独特な形状で精密操作に応えるアームとツメにある。

前後左右、自在に操作できるボタンを使い、ピンポイントで狙った場所にアームを動かせるため、取れるか取れないかは自己責任(笑)。失敗しても機械のせいにできない半面、「ここを狙えば取れるはず」と思いどおりにアームを操作し、まんまと景品をつかめたときの達成感、満足感がたまらないのだ!

とはいえ、アーケードゲームである以上、成功の確率は低い。お目当ての景品をゲットするためにつぎ込む金額が、1000円、2000円、5000円...とヒートアップしていくうちに「あぁ、じれったい! これならゲーム機ごと買ったほうが早いんじゃね~か!?」と思ってしまった人もいるだろう。自分専用のマシンがあれば、思う存分トレーニングをしてから街のゲームセンターで挑むこともできるのだ。

軽自動車1台が余裕で買える?

■購入価格よりも、どこに置くかが問題

では、実際に買うとどれくらい費用がかかるのか?

前後左右4面すべてが透明で、狙いやすさがアップした最新鋭機「UFO CATCHER9」。一般向け販売価格は公表されていないが、ゲーム業界関係者によれば「軽自動車1台が余裕で買えるくらい」というから150万円前後と推測される。やはり簡単には手が出せない高値だ。

ただ、最新鋭機にこだわらなければ、廃業するゲームセンターの処分品や新機種との入れ替えなどで出た中古品も結構流通している。数年落ちの、まだまだ現役で稼働中の機種でも50万円程度で出ることがあるという。セガ以外の類似製品なら5万円という破格の激安中古品も出たりするらしいが、やはり操作性は"本物"には遠く及ばないようだ。

ちなみに、中に入れる景品は、小型ぬいぐるみなら1個36円程度から。目玉商品の大型フィギュアには1個2000円近いものもあり、通常は、景品を満タンにするには2万円から3万円の仕入れ原価が必要となる。

また、金銭面がクリアできても、設置して遊ぶためには約4畳分のスペースを確保しなければならない。一般家庭にはあまりに大きすぎ、寝る場所もなくなるだろう。徹夜でひたすらUFOキャッチャーをやるなら、それでもいいかもしれないが...。

(取材・文/近兼拓史)

■週刊プレイボーイ8号(2月9日発売)「総力特集11P! 男なら、業務用のあの"スゴイやつ"を買ってみろ!」より(本誌では、この他にガチャガチャやミニパワーショベルetc.も大検証!)