「アパルトヘイト(人種隔離)を肯定している」として、作家・曽野綾子氏(83歳)のコラムが波紋を呼んでいる。

2月11日付の産経新聞朝刊に掲載された「労働力不足と移民」と題したコラムの中で、曽野氏は移民の受け入れについて「もう20~30年も前に南アフリカ共和国の実情を知って以来、私は、居住区だけは、白人、アジア人、黒人というふうに分けて住む方がいい、と思うようになった」などと言及。これに南アフリカ駐日大使、国際人権NGOな国内外から撤回要求や多くの批判が寄せられた。

そこで、週プレは曽野コラム、移民受け入れなどに関するアンケートを、20代から70代の男女各100人に実施。

まず、「曽野コラムの内容について、どう思うか?」という質問。「批判されて当然」(36・67%)、「特に問題ない」(21%)を上回ったのは、「理解できる部分はある」(42・33%)だった。

「曽野さんの意図は不明だが、隔離を肯定しているということではなく、生活上の利便性などで利点が多いということではないか」(38歳男性)「理想とは別に、現実的にはそうなのかなとも思う」(49歳女性)

ただ、20代と60代では「批判されて当然」という声が最も多かった。

「ルールを守らなければ、人種に関係なく追放すればいいだけの話」(28歳女性)「何人(なにじん)でもゴミはゴミ!」(23歳男性)「いかなる理由であれ人種隔離は肯定されるべきではない」(66歳男性)

次に「今後、予想される労働力不足緩和のための外国人受け入れの流れについて、どう思うか?」という質問。

「賛成」7・83%、「どちらかといえば賛成」27・5%、「どちらかといえば反対」41・83%、「反対」22・83%という結果に。世代間の差もほとんどない。

最多得票の「どちらかといえば反対」の代表的意見は、「治安が悪化しそう」(38歳男性)、「少なくない数の日本人が、仕事がなくて困っている状況。安い賃金で働く外国人が増えると、もっと困ることになるのでは」(49歳女性)のふたつ。

外国人による介護はあり?

最後は、特に深刻な人手不足が指摘される介護業界について、「あなたは将来、自分に介護が必要になった時、外国人に介護を依頼しますか?」という質問。

世代により多少のバラつきはあったものの、「日本人でも外国人でもどちらでも構わない」(38・67%)、「日本人に依頼するよりも安く済むならば」(14・83%)を上回ったのは、「外国人は避けたい」(46・5%)。

なかでも30代は「外国人は避けたい」が全世代で唯一、5割を超えた(53%)。

「言葉の壁は大きそう」(33歳男性)「コミュニケーションへの漠然とした不安がある」(35歳男性)

少子高齢化が加速度的に進む日本にあって、近い将来の労働力不足は確実。安倍政権も「外国人活用」を掲げ、介護分野などでの移民受け入れ枠拡大の議論を重ねている。

それでも今回のアンケートでは、日本人にはまだまだ根強い外国人アレルギーがあるという結果となったわけだが…。これらの問題について、あなたはどう思いますか?

(アンケート協力/アイブリッジ)