久々に風が止み、やっと海へ! 久々の釣りだ!!

まだまだビュービューと風が吹きつけ、波立つ海。いくら防寒したって海上では鳥肌が立ち、手がかじむ寒さの中、その間隙を縫って、週プレ釣り部は出港だ!

***日中は暖かい日もあり、ようやく冬の終わりを感じるこの頃。しかし、まだまだ海は真冬だ! 吹き荒れる冷たい風はもちろん、何よりも水温が低いのだ。

海水は大気より冷え込むのが遅れる。だから、海の中の季節は陸上より1ヵ月ほど遅れ、ちょうど今が真冬になる。北海道のニシン、関東・東海のメバルなど各地で「春告魚」と呼ばれる魚が巷(ちまた)に出るのは、あくまで陸上の話。実は真冬の状態となった海で獲れるものなのだ。

こうした時期に海釣りで問題なのは、魚たちの活動がなくなってしまうことだ。魚は基本的に水温が下がると代謝しなくなり、動かずエサを取らなくなる変温動物。だから、動きも緩慢になる。さらに海水は海面から冷え込むため、より水温が高く安定した深い場所に多くの魚が集まって息を潜めてしまう。

とにもかくにも、海面が穏やかになった隙をついて、週プレ釣り部は海へ。

久々の釣りとあって、せっかくならボウズは防ぎたい。厳しい状況ではあるといえ、ちゃんと釣ったあの感覚を手にしたい! というわけで、今回は日本人に身近な大衆魚「マアジ」をターゲットに設定。

よく漁獲され、スーパーなどで並ぶマアジはおよそ30cm程度だ。しかし、実際の成魚は全長50cm程度にまで達する。側線上には俗称「ぜんご」や「ぜいご」と呼ばれるトゲ状の鱗が70個ほど並び、えらぶたにひとつの黒色斑があるのが特徴。

また、どこにでもいるイメージがあるのは、浅海の岩礁域に定着する「居つき型(瀬付き群)」と、外洋を回遊する「回遊型(沖合回遊群)」がいるからだ。もちろん同じマアジだが、体色と体型が異なる。居つき型は全体的に黄色みが強く、体高が高い。

一方、「回遊型」は体色が黒っぽく、前後に細長い体型だ。さらに、それぞれで呼び方も変わり、例えば東京湾沿岸では居つき型を「キンアジ」「キアジ」、回遊型を「ノドグロ」「クロアジ」などと呼んで区別している。

ただのマアジではなく「金アジ」が目標!

そして、ひとくちに「マアジ」と言っても、獲れる海や時期によってブランド化されているのも大きな特徴だ。

「関アジ」というのを聞いたことがないだろうか? 大分県大分市の佐賀関で水揚げされるアジで、「関サバ」に並ぶこの地のブランド魚として知られている。ここは、非常に速い海流や水温変化の少なさ、そして一年中プランクトンなどの餌が豊富であることから身が引き締まって育つのだ。

10本指で掴(つか)めないほど大きいことから名付けられた兵庫・淡路島周辺の「トツカアジ」など「関アジ」以外にも多くの地域にブランドアジがあり、その特徴はどれも下記の要素がある。

(1)体色が金色を帯びている(2)体型が丸々として体高がある(3)あまり移動しない居着き(瀬つき)型(4)エサが豊富で潮流が速い場所に生息(5)地域により、脂質や大きさ、重さの基準を設定

★ブランドアジ一例

というわけで、今回の最終目標はただのマアジではなく、千葉県の金谷で獲れる「金アジ」だ!

この地域の海は、切り立った鋸(のこぎり)山から明鐘(みょうがね)岬へと下りながら、さらに海の中までゴツゴツと複雑な地形が続く。さらに最大深度は500mに達し、湾港口なので潮の干満の影響を受け、潮流は早い。まさに釣り甲斐のある場所だ。

【お世話になった釣り船】光進丸(岡澤釣具店)http://www.koushin-group.jp/千葉県富津市金谷3970-13TEL:0439-69-2232TEL&FAX:0439-69-2697

【タックルデータ】ロッド:オモリ負荷50号前後・2m前後6:4調子・波がある時は柔らかめ、硬めは×リール:中型両軸小型電動(PE2号が200m以上巻けるもの)ライン:PEライン・2号前後・10m毎/色付で1m毎のマーク付リーダー:フロロまたはナイロン・5号前後・1~1.5mハリス:フロロ・2~3号の3本ハリ・吹き流しハリ:チヌ又はアジ針・2号前後・チモトに蛍光玉オモリ:テンビン+ビシ籠・60号・FLクラス(地域によって指定あり)その他:擬餌ワーム類・小型・アジング仕様のワーム類

【エサデータ】付けエサ:新鮮な沖アミ(L~LL)コマセ:新鮮なものアミ

【海況データ】天気:晴れ風:西~北西~西北西・7m、後半は3m・朝方強風の為、出船遅れる波高:朝方は高く1.5~2m(昼にかけて徐々におさまる)潮:中潮潮流:2~4ノット(深場の潮流は早い)水温:17度前後水色:やや濁り→やや澄み

(3月8日配信予定の第2回に続く)