副業でＡＶ女優をやってる女性の確定申告はどこまで控除される？ - 経済・ビジネス

とにかく面倒だ！と、この時期はげんなりする人が多数。サラリーマンなら尚更そんなの関係ないし…となってしまう。

だが今ドキ、特定支出控除だってバカにならない（記事はこちら→http://wpb.shueisha.co.jp/2015/03/11/44805/）。そこで「確定申告なんて怖くない」を合言葉に、美人税理士の野田美和子先生がわかりやすくタイプ別に節税シュミレーション！　今回は…。

【アパレルで働きながらＡＶ女優をするゆうこさん（２１歳）の場合】

最初はスカウトだったんですけどね。仕事帰りに捕まっちゃって、またキャバかよーと思って、「興味ないんでー」ってやり過ごそうとしたら「ちょと待てちょと待て、お姉さ～ん、エロそうな雰囲気出てますよ～」なんて言われて足が止まっちゃった。なんか出てたみたい、隠せないものが（笑）。

エロいのは嫌いじゃないし、発想の転換をすれば、お金がもらえてワクワクできて（笑）、定期的に気持ちよくなれて。今カレシいないしー…いいかも？って。

ＡＶやってるといっても、親バレと会社バレが怖いので「企画女優」ってやつです。素人が５人くらい出ているやつのひとりが実は私、みたいな？　撮影は平日が多いです。

平日に休めるコが本業と二股かけて、バイト感覚で出演しているパターンはあるみたいですよ。ナースもいるって噂。撮影が平日な理由は…土日は人妻の撮影で埋まっちゃってるんだって！　そっち優先かよー！

「赤字申告」できるって？

ギャラ？　他の人は知らないですけど、拘束時間３時間で３万円です。安いって？　不景気な時代はやりたいコが増えるから安くなるっていってたかな。需要と供給ってやつらしいよ。私、顔を売りたいわけじゃないから、まあ、そんなもんかなって感じー。

ゼイキン的にはどうなるかって？　えー、正直よくわかんなーい。先生に教わりたいですよー。ＡＶやるために、かかるお金があるかって？　なんだろー。裸だしね（笑）。

でも、意外と検査代がかかるよ。性病になってないか、定期的に調べる。自分の身は自分で守らなきゃと思うし。それとピル代？　ぶっちゃけ、あれの日だと撮影できないしね。飲むようになりました。妊娠の心配ないし。ってとこで、人妻先生、アドバイスよろー。

【野田先生のアドバイス】収入が２ヵ所からある場合、給与以外に２０万円超の所得があれば、確定申告が必要です。

ゆうこさんは、ＡＶ女優で得たお金が６０万円で、その６０万円を得るために使ったお金が７２万９千円。

本人は気づいていないようですが「赤字申告」ですね。本来なら確定申告は不要です。でも、アパレル社員の本業は黒字なので「損益通算」をすれば、税金は安くなります。

これは「片方の仕事は黒字だが、もう片方が赤字」の場合、国税庁が勘案してくれる制度。とはいえ、架空の経費を計上して、わざと赤字にするのは脱税ですから、やっちゃダメです！

ゆうこさんの確定申告データ

【データ】《ゆうこさんの年収》・正社員３００万円＋個人事業主６０万円　＝　合計年収３６０万円

《ゆうこさんが控除できる経費》・下着などの衣装代……１０万円・化粧品代……６　万円・エステ・美容代……２７万９０００円・ピル・性病検査代……１０万円・交　通　費……１９万円合計　７２万９０００円

・税金が安くなる金額　⇒　６６００円

＊各シミュレーションは、会社員のケースでは、労働保険、協会けんぽの社会保険に加入、個人事業主のケースでは、国民健康保険、国民年金を一定額支払っているものとして計算しています。

（取材・文／梅田小太郎　戎小次郎）

●野田美和子税理士。学習院大学文学部卒業。２００９年に独立開業し、東京都渋谷区に事務所を開設。幅広いクライアントを持ち、税務・会計・経理のサポートを行なっている。臨時の週プレ顧問税理士