ケンタッキーが作ったハンバーグサンド。今まで未開拓だった分野にまで挑戦していることからも攻めの姿勢がうかがえる。

ファストフード業界の雄、マクドナルドが2月期の売り上げが前年比28.7%減だったと発表。過去にない苦戦を強いられている一方で、それとは裏腹に好調なのがケンタッキー。

なんと、この1年間ほぼ毎月、前年の売り上げを超えているのだ。フードアナリストの重盛高雄氏はこう語る。

「売上高もそうなのですが、注目したいのは客単価、客数も前年を超えていることです。この数字から、お客さんの満足度合いがうかがえますね」

では具体的にどんなところがウケている?

「ひとつに、ケンタッキーの“安心、安全”のブレない姿勢があります。過去にコンビニチキンが“安いし手軽!”という理由から爆発ヒットしましたよね。しかし、ケンタッキーはその挑発に乗らず、お店で手作り、国産鶏使用という独自路線を貫きました。

その後、コストを意識した外国産鶏の安全性が揺らぐ事件が起き、現在は消費者が多少高くても安全なものをという風潮になりました。それゆえ、今ケンタッキーが見直されていると考えられます」

ポリシーを貫いたケンタッキーの逆襲といったところか。

「ただ、今のケンタッキーのスゴいところは、このチキンのポリシーは守りつつ“客にウケる新しいサービス”をつくり出すのがウマいんですよ!」

では、そのサービスとやらの内容を見ていこう。ファストフードに詳しい、ライターの大町智也氏が語る。

「ここ最近のケンタッキーの新商品はとにかく攻めてます。 今年頭に打ち出した新商品は、肉から離れた“えびプリフライ”、平たく言うとエビフライなんですけど、これが本当にプリプリでウマかったんです!」

エビに牛肉、豚肉まで新製品!

ケンタッキーがエビフライをここまで大々的に売り出すとは。広報にその意図を聞いてみた。

「ファミリーのお客さま向けで、エビはどなたにも人気という理由が大きいですね。チキンのサイドメニューとしても召し上がっていただけると思い、開発しました。こだわりの天然エビを使用していますので、現在は完売してしまいましたが、今後の展開も検討中です!」

なるほど。ファミリーに向けた新メニュー導入が売り上げ増につながる戦略というわけか。

「それだけではありません。エビに続いての新商品はさらに驚き! 牛肉と豚肉を使ったハンバーグサンドが登場したんです。チキンのケンタッキーがなぜ?と激震が走りましたよ」(大町氏)

気になるので、こちらも広報に聞いてみた。

「魚や野菜などの新メニューを扱って、次は何にしようか…。と考えていたところ、未開拓分野かつ手作り感が出せるのではということでハンバーグの案が上がりました。開発には1年半かかっています。厚い肉を柔らかくジューシーに焼くために、今回新たにスチームオーブンを使用しました」

では、そのこだわりの品を本誌記者が食べてみることに…。

「とにかくお肉が柔らかい!! 今までのハンバーガーにはない肉の厚さなのに、ホロホロほどけます。そして、この白いソースもウマい! マヨネーズではなく、ジャガイモとチーズの風味があるソースでデミグラスの濃厚さをマイルドにしてくれますね」

決して、ケンタッキーの回し者ではなく、本当に感動した本誌記者であった。確かに、これなら躍進も納得!

■週刊プレイボーイ13号(3月16日発売)「ケンタッキーの逆襲が今、スゴい勢いだ!」より(さらに本誌では、他の充実内容を徹底紹介!)